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診療報酬―保団連の視点

外来:オンライン診療、歯科:院内感染防止対策、
入院:25対1看護配置の存続、療養病棟報酬引き上げ

全国保険医新聞2021年9月25日号より)

 

 2022年診療報酬改定に向けた保団連要求を連載で紹介する。

外来ーオンライン診療の初診 恒久化は反対

 「骨太の方針2021」は、コロナ禍で特例的に解禁されている初診からのオンライン診療を恒久化する方針を明記している。
 オンライン初診の恒久化は、「従前より疾患の見落とし・見誤りなど誤診の可能性」、「重症化の見落としリスク」、「患者のなりすまし」など、医師の診療を担保する上でのさまざまな問題が指摘されている。
 また、新型コロナに係る診療報酬上の特例(オンライン初診)でも、都道府県による再三の指導にも関わらず、「処方禁止薬の処方」、「処方日数制限の超過」、「遠方地の患者の診療」など不適切事例が散見されている。
 こうした状況下でオンライン初診を恒久化すれば、不適切事例のさらなる増大や、対面での身体所見に基づく診断が後退し、医療そのものが変容しかねない。保団連は、オンライン初診の恒久化に引き続き反対していく。

歯科ー院内感染防止対策適正に評価を

 歯科医療機関の院内感染対策費用は、『医療安全を確保するために―院内感染対策費の検討』(日本歯科医療管理学会雑誌第51巻第1号40‐45(2016))によると、患者一人当たり1,058円と試算されている。一方、2016年当時で再診料45点+外来環4点で49点(490円)にとどまり、費用と報酬の隔たりがあまりにも大きい。
 全ての歯科医療機関で感染症に対する患者のニーズや安心安全の医療を実現するためにも、基本診療料である初・再診料を適正に評価し、大幅に引き上げるべきである。
また、院内感染防止対策に係る届出が、ほぼ100%であるという現状と、歯科においては特に感染対策は当然実施すべきことであることから、施設基準としての届出医療とする必要性はなく、廃止すべきである。

入院ー25対1看護配置の存続 療養病棟報酬引き上げを

 2020年改定では、療養病棟入院基本料のうち25対1看護配置又は医療区分2・3の割合が5割未満の診療報酬が大きく引き下げられ、22年3月までの経過措置とされた。
 しかし、医療区分1でも入院加療を要し、医療区分2・3よりも大変な患者も少なくない。少なくとも医療法人員標準を満たす療養病床については所定点数が算定できるようにした上で、医療区分2・3の割合が5割以上の場合は加算点数で評価すべきである。
 また25対1看護の療養病床も、地域の住民・患者にとってなくてはならない存在である。次回改定で経過措置の終了や報酬の引き下げが実施されれば、入院患者が行き場を失い、家族にも大きな負担となる。
 25対1看護の療養病床を存続させ、コスト調査報告等を踏まえて診療報酬を引き上げるべきである。さらに20対1看護配置の療養病床も含めて、感染防護対策の徹底や職員の処遇改善が図られるよう、さらに報酬を引き上げるべきである。

以上

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