令和2年診療報酬改定の経過措置が令和3年9月末で終了
10月1日以降、引き続き算定する場合に
10月18日までに地方厚生局に届出が必要な施設基準について
令和3年9月17日付厚生労働省事務連絡で、重症度、医療・看護必要度の患者割合を満たす入院料、A246入退院支援加算3、A308回復期リハビリテーション病棟入院料1・3、A308-3地域包括ケア病棟入院料1〜4、A317特定一般病棟入院料の注7の経過措置が9月末日で終了し、10月以降も引き続き算定する場合は、下記1〜4に掲げる要件を満たした上で10月18日までに地方厚生局に届出を行うこととされた。下記1〜4に掲げる要件を満たすことができない場合は、下方基準への変更又は届出の取り下げを行う必要がある。
ただし、いずれの施設基準も、「新型コロナウイルス感染症の病床を割り当てられている保険医療機関」は2022年3月末まで経過措置が延長されており、届出は不要である。
なお、10月の届出にあたっては、令和3年9月17日付事務連絡の前文で「当該届出に係る患者の診療実績等の要件については、「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い(その26)」(令和2年8月31日厚生労働省保険局医療課事務連絡)の2(2)@及びAの取扱いにより実績を算出することが可能であることを申し添える」と記載している。これについて厚労省に確認したところ、表1の(5)の緊急事態宣言が2021年1月〜9月まで発出されていることから、「重症度、医療・看護必要度」の実績期間については、下記ア〜ウのいずれを用いてもよく、地方厚生局から問い合わせがあればそのように答えるとしている。
ア.2021年7月〜9月の連続する3カ月の平均
イ.2021年1月〜9月のいずれかの3カ月の平均(連続しない任意の3カ月で良い)
ウ.2020年10月〜12月の連続する3カ月の平均 |
今年10月に表1に該当する場合も、上記ア〜ウのいずれかによる実績で10月18日までに届出が必要で、要件を満たさない場合は下方基準に変更しなければならない。
上記ア〜ウで要件を満たせない場合で、2020年10月〜12月に表1の(1)〜(4)又は(6)に該当する期間があれば、その期間も勘案できる。
10月の届出に対して、表1に該当する場合は、改めて表2の特例が適用される。
表1 実績期間の特例対象(1日でも該当すれば、月単位で適用) |
(1) |
新型コロナ患者等受入(新型コロナワクチン接種又は新型コロナ回復後の入院患者受入れを含む)保険医療機関等 |
(2) |
(1)の保険医療機関等(新型コロナワクチン大規模接種会場や職域接種会場等、入院待機施設や宿泊療養施設を含む)に職員を派遣した保険医療機関等 |
(3) |
学校等の臨時休業に伴い、職員の勤務が困難となった保険医療機関等 |
(4) |
新型コロナウイルス感染症に感染、又は濃厚接触者となり出勤ができない職員が在籍する保険医療機関等 |
(5) |
緊急事態宣言期間中は、全国全ての保険医療機関等 |
(6) |
まん延防止等重点措置期間中は、宣言区域を有する都道府県の全ての保険医療機関等 |
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表2 対象となる特例措置 |
表1に該当する保険医療機関は、表1に該当する期間(月単位)について当該要件を満たさなくても、直ちに変更の届出(定数超過入院は、減額措置)を行う必要はない。
(1) |
定数超過入院 |
(2) |
月平均夜勤時間数 |
(3) |
看護職員比率 |
(4) |
DPC参加基準 |
(5) |
「平均在院日数」「重症度、医療・看護必要度」「在宅復帰率」「医療区分2・3の割合」 |
(6) |
手術等の実績件数等の患者及び利用者の診療実績等にかかる要件 |
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1.入院基本料(届出様式は、別添7の様式10による)
(1)A100一般病棟入院基本料
施設基準名称 |
重症度、医療・看護必要度の割合(T又はUのいずれか) |
Tの場合 |
Uの場合 |
急性期一般入院料1 |
31%以上 |
29%以上 |
急性期一般入院料2 |
28%以上 |
26%以上 |
急性期一般入院料3 |
25%以上 |
23%以上 |
急性期一般入院料4 |
22%以上 |
20%以上 |
急性期一般入院料5 |
20%以上 |
18%以上 |
急性期一般入院料6 |
18%以上 |
15%以上 |
(2)A102結核病棟入院基本料
施設基準名称 |
重症度、医療・看護必要度の割合(T又はUのいずれか) |
Tの場合 |
Uの場合 |
7対1入院基本料 |
11%以上 |
9%以上 |
(3)A104特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)
施設基準名称 |
重症度、医療・看護必要度の割合
(T又はUのいずれか) |
Tの場合 |
Uの場合 |
7対1入院基本料 |
なし |
28%以上 |
注5に掲げる看護必要度加算1 |
22%以上 |
20%以上 |
注5に掲げる看護必要度加算2 |
20%以上 |
18%以上 |
注5に掲げる看護必要度加算3 |
18%以上 |
15%以上 |
(4)A105専門病院入院基本料
施設基準名称 |
重症度、医療・看護必要度の割合
(T又はUのいずれか) |
Tの場合 |
Uの場合 |
7対1入院基本料 |
30%以上 |
28%以上 |
注3に掲げる看護必要度加算1 |
22%以上 |
20%以上 |
注3に掲げる看護必要度加算2 |
20%以上 |
18%以上 |
注3に掲げる看護必要度加算3 |
18%以上 |
15%以上 |
2.入院基本等加算
(1)重症度、医療・看護必要度を要件とするもの(届出様式は、別添7の様式10による)
施設基準名称 |
重症度、医療・看護必要度の割合
(T又はUのいずれか) |
Tの場合 |
Uの場合 |
A200総合入院体制加算1・2 |
35%以上 |
33%以上 |
A200総合入院体制加算3 |
32%以上 |
30%以上 |
A207-3急性期看護補助体制加算1〜4 |
7%以上 |
6%以上 |
A207-4看護職員夜間配置加算1の
イ・ロ及び2のイ |
7%以上 |
6%以上 |
A214看護補助加算1 |
6%以上 |
5%以上 |
(2)職員配置を要件とするもの
施設基準名称 |
要件 |
届出様式 |
A246入退院支援加算3 |
「入退院支援及び5年以上の新生児集中治療に係る業務の経験を有し、小児患者の在宅移行に係る適切な研修を修了した専任の看護師」の配置 |
様式40の9(様式40の9[記載上の注意]に記載する添付書類を除く) |
3.特定入院料
施設基準名称 |
要件 |
届出様式 |
A308回復期リハビリテーション病棟入院料1 |
|
様式49(様式49記載上の注意]に記載する添付書類を除く) |
|
A308回復期リハビリテーション病棟入院料3 |
|
A308-3地域包括ケア病棟入院料1・3(右の下線部を除く)
A308-3地域包括ケア病棟入院料1・3(右の下線部を含む)
A317特定一般病棟注7の地域包括ケア入院医療管理(右の下線部を含む)
|
□ |
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について、次のいずれかを満たす。
ア.Tの基準を満たす患者が14%以上
イ.Uの基準を満たす患者が11%以上 |
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A308-3地域包括ケア病棟入院料1・3の場合
・ |
様式10 |
・ |
様式50(様式50[記載上の注意]に記載する添付書類を除く) |
A308-3地域包括ケア病棟入院料1・3の場合
・ |
様式10 |
・ |
様式50の2(様式50[記載上の注意]に記載する添付書類を除く) |
A308-3地域包括ケア病棟入院料1・3の場合
・ |
様式10 |
・ |
様式50又は50の2(病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式20の当該看護要員のみを省略することができる) |
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□ |
当該保険医療機関内に入退院支援及び地域連携業務を担う部門を設置 |
□ |
当該部門に入退院支援及び地域連携に係る業務に関する十分な経験を有する専従の看護師又は専従の社会福祉士を配置(専従看護師配置の場合は専任の社会福祉士を配置、専従社会福祉士配置の場合は専任の看護師配置) |
|
□ |
当該病棟において、入院患者に占める、自宅等から入院したものの割合が15%以上。ただし、当該病室における病床数が10未満のものにあっては、前3月間において、自宅等から入院した患者が6以上である。 |
□ |
当該病棟における自宅等からの緊急の入院患者の受入れ人数が、前3月間において6人以上。 |
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□ |
次のいずれか2つ以上を満たす。
@ |
在宅患者訪問診療料(T)及び在宅患者訪問診療料(U)を前3月間において30回以上算定している。 |
A |
在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料、精神科訪問看護・指導料(T)及び精神科訪問看護・指導料(V)前3月間において60回以上算定している。 |
B |
訪問看護基本療養費及び精神科訪問看護基本療養費を前3月間において300回以上算定している訪問看護ステーションが当該保険医療機関に併設されている。 |
C |
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を前3月間において30回以上算定している。 |
D |
訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、介護予防訪問看護又は介護予防訪問リハビリテーションの提供実績を有している施設が当該保険医療機関に併設されている。 |
E |
退院時共同指導料2を前3月間において6回以上算定している。 |
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A308-3地域包括ケア病棟入院料2・4(地域包括ケア入院医療管理料2・4)
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□ |
当該保険医療機関内に入退院支援及び地域連携業務を担う部門を設置 |
□ |
当該部門に入退院支援及び地域連携に係る業務に関する十分な経験を有する専従の看護師又は専従の社会福祉士を配置(専従看護師配置の場合は専任の社会福祉士を配置、専従社会福祉士配置の場合は専任の看護師配置) |
|
様式10
様式50([記載上の注意]に記載する添付書類を除く) |
4.訪問看護療養費(別紙様式6(3.〜11.の記載は省略することができる))
施設基準名称 |
要件 |
機能強化型訪問看護管理療養費1〜3 |
看護師等のうち、6割以上が看護職員である。なお、看護職員の割合の算出に当たっては、当該訪問看護ステーションにおける常勤換算した看護職員の数を、常勤換算した看護師等の数で除して得た数とする。 |
以上