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コロナ特例加算打ち切り 医療界が継続求める

全国保険医新聞2021年10月5日号より)

 

 政府は、感染症対策に関する外来・入院時の診療報酬の特例加算を9月末で打ち切った。今後は補助金で対応するとしている。6歳未満の乳幼児の外来診療に関する特例加算も、10月以降は点数が半分となる。全国保険医団体連合会(保団連)は特例加算終了に抗議し、継続を強く求めた。多くの医療関係団体も継続を求めていた。

 

引き続き求められる感染症対策

 「感染症対策はまだまだ必要。国民の生命を守るためにも医療体制を支えることが求められる」、「発熱者の対応もしており、加算なしで経営は成り立たない」、「発熱外来を行っていない医院でも、対策に日々追われコストが余分に必要となっている」。加算廃止の可能性が報道された9月末には、会員から継続を求める多くの声が寄せられた。
 感染症対策に関する外来・入院時の特例加算は、感染拡大防止を図りつつ日常診療を維持する全ての医療機関を対象としており、感染症対策への人的・物的経費を補うものとして、不十分ながらも一定の役割を果たしてきた。新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向が続き、9月30日で19都道府県の緊急事態宣言も全面解除された。しかし、重症者数は未だ1,000人近く、秋から冬にかけて第6波も懸念される。地域の医療機関には引き続き十分な感染症対策が求められており、特例加算の継続は不可欠だ。日医や全日本病院協会などの医療団体も継続を強く要望していた。
 保団連は9月28日、外来と入院時の加算を10月以降も継続すること、乳幼児の外来診療に関する加算を引き下げずそのまま継続することを求めた。

 

迅速な給付できるのか

 政府は10月からの感染症対策支援として、医科歯科共に、年末までの3カ月間で病院・有床診療所は10万円、無床診療所は8万円を上限に、実費を補助するとしている。しかし、感染対策の経費として不十分である上、これまで措置されてきた補助金の給付が大幅に遅延していることから、迅速、確実な給付がなされるか疑問である。さらに22年1月以降のコロナ収束が見通せないにもかかわらず、その後の支援の内容も明らかでない。感染症対策支援は、迅速、簡便な診療報酬による対応を継続すべきである。

以上

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