金パラ「逆ザヤ」解消へ前進 3カ月毎に毎回改定
協会・保団連要求が実現
(全国保険医新聞2022年2月15日号より)
今次改定において、歯科用貴金属価格改定の見直しが議題となり、昨年12月22日、今年の1月12日の中医協総会での議論を経て、1月19日には、価格改定の方法を定めた通知の見直し案が提出された。見直しの内容は、@現行の5%超の価格変動で実施する随時改定Tと15%超の価格変動で実施するUを整理して、3カ月おきに毎回改定すること、A現行では素材価格の参照期間が改定実施の3カ月より前であったが、これが2カ月より前になり、最近までの価格が反映されるようになったことだ。
保団連は、昨年6月の代議員会で取りまとめた要求をふまえて、各協会とも協力しながら厚労省要請を進めてきた。保団連の要求内容は今回の見直し内容と同様であり、この間の取り組みが実を結んだ。
多様な取り組みで
保団連は、「金パラ『逆ザヤ』シミュレータ」による実勢価格調査や会員署名等により、「逆ザヤ」の実態と現場の深刻な状況を明らかにし、その改善を求めて厚労省への要請やマスコミへの情報発信に取り組んできた。現場の切実な要望により金パラ「逆ザヤ」問題がクローズアップされ、複数のマスコミがこの問題を報じるなど、歯科医療を受ける患者・国民の問題としても広く関心が寄せられた。こうした動きが制度改善に結実したことは、歯科医療改善の運動において重要な経験である。
今回の改善は「逆ザヤ」緩和の前進だが、抜本解決に至るものではない(図)。保団連は、引き続き「逆ザヤ」の現状把握と制度改善の検討と運動を進める。
以上