現場の声で制度改善 2022年診療報酬改定
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昨年11月18日に厚労大臣政務官(右)に診療報酬引き上げを求める署名を提出した |
医学管理では、アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料が新設された。
在宅医療では、間歇スキャン式持続血糖測定器による血糖自己測定器加算の対象患者要件が緩和された。
検査では、静脈血採血料(2点)、採血料の乳幼児加算(5点)、動脈血採血料(5点)、鼻腔・咽頭拭い液採取が20点引き上げられた。関節液検査(50点)が新設された。
注射では皮内、皮下及び筋肉内注射(2点)、静脈注射及び乳幼児加算(2点、3点)、点滴注射もそれぞれ1〜2点引き上げとなっている。
耳鼻咽喉科に乳幼児加算(60点)が新設された。また汎用処置である耳処置、鼻処置、口腔、咽頭処置がそれぞれ2点引き上げとなった。手術では、創傷処理、小児創傷処理、皮膚切開術、デブリードマンがそれぞれ引き上げられた。
このほか処置、手術の休日・時間外・深夜加算の算定要件が緩和される。
入院では、医師事務作業補助体制加算の引き上げ、有床診療所では急性期病棟から転院した場合の初期加算(一般、療養とも)の算定日数増(14日→21日)と、有床診療所療養病床入院基本料の救急・在宅等支援療養病床初期加算(150点)が2つに分けて評価され、それぞれ「有床診療所急性期患者支援病床初期加算」(300点)、「有床診療所在宅患者支援療養病床初期加算」(350点)と点数が引き上げられた。有床診療所入院基本料の夜間看護配置加算1、2とも5点引き上げられた。
院内感染防止対策の評価として、初・再診料が3点ずつ引き上げられた。保団連は、新型コロナウイルス感染症への対応を含めた院内感染防止対策に必要な経費が十分に補填される評価を求めてきた。
口腔機能管理料では対象年齢が「65歳以上」から「50歳以上」に、小児口腔機能管理料では、「15歳未満まで」が「18歳未満まで」に変更された。
総合医療管理加算などでは、実際の診療に不要な施設基準が廃止された。
初期の根面う蝕に罹患した患者へのフッ化物歯面塗布処置では、在宅患者に加え、65歳以上の外来患者にも対象が拡大された。
歯周病安定期治療(SPT)では、か強診が算定できるSPT(U)がSPT(T)の算定要件に揃えるかたちで一本化された。
保団連として診療現場の実態に合わない不適切な取り扱いの改善を求めた結果である。
在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料などでは、点数の引き上げ、対象疾患や対象年齢の拡大がなされた。
保団連として実態調査を行った非経口摂取患者口腔粘膜処置は、110点(+10点)に引き上げられた。
「処置項目」では、歯髄保護処置、抜髄、感根処、根貼、加圧根充、除去等の点数等、「手術項目」では抜歯の点数、「歯冠修復・欠損補綴項目」では、支台築造、金属歯冠修復、非金属歯冠修復、有床義歯、鋳造鉤、線鉤、間接支台装置、バー、有床義歯修理等の点数が引き上げられた。
保団連は低く据え置かれてきた基礎的技術料の引き上げを求めていた。
以上