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指導の対策 徹底サポート
通知が届いたら協会・医会に相談を

全国保険医新聞2022年3月5日号より)

 

東京協会で行った模擬指導のもよう

 2020年度に新型コロナウイルス感染拡大で大幅に実施件数の減った個別指導は、21年度は、高点数を理由とするものを除きすべて実施するとされた。指導の際には療養担当規則など保険診療のルールの熟知が前提とされているが、保険医が、それらを学ぶ場は事実上ないのが現状だ。全国保険医団体連合会(保団連)と保険医協会・医会は、長年の情報分析と経験を生かして、医師・歯科医師の指導対策を徹底的にサポートしている。

 

審査、指導、監査制度の仕組みと日常の留意点をまとめた保団連作成のテキスト。カルテ記載時の注意事項や、指導当日の流れなども解説している

医院に赴きアドバイスも

 開業からおよそ6カ月経過後1年以内に行われる新規指導は、21年度は20年度未実施分も含めて全て実施するとされた。教育目的とされるが、請求の誤りやカルテ記載の不備がある場合には、自主返還の対象とされることも。全国の協会・医会では、講習会の開催とともに、対象となった会員には、個別にアドバイスなどをしている。
 愛媛協会では、必要に応じて、指導対象の会員の医院まで赴き、相談に乗っている。指導通知が届いた際に協会に相談・入会し、即時にサポートを受けた会員からは、感謝の声が届いている。

会員の体験踏まえた講習会

 協会・医会では、ウェブも活用して個別指導対策の講習会を開催している。鹿児島協会で1月にウェブ開催した講習会では、選定基準や実施通知・対象患者通知の届く時期、当日の流れ、指導官が指導を行う際の視点、よく指摘される項目等が、指導を受けた会員の実体験なども踏まえて解説された。参加者からは、「カルテ記載がいかに大切か痛感した」「日頃学ぶ機会のない内容でとても参考になった」などの感想が寄せられた。

イメージつかめる模擬指導

 講習会では、講演に加えて模擬指導を行う場合もある。東京協会は昨年11月の模擬指導で、指導医療官や事務官などに扮した協会役員・事務局が、カルテやレセプト記載内容の厳しい指摘などを再現した。参加者からは、「リアルな模擬指導でイメージがつかめてよかった」と好評だった。
 また、協会・医会では、公正な指導環境を確保するため、指導当日の録音、弁護士帯同の取り組みも進めている。

高点数による指導中止につながる

 保団連は指導の改善を求め、厚労省への要請も続けてきた。20年12月には新型コロナ対応に尽力する医療機関ほど、高点数を理由として指導の対象として選定されてしまうと指摘し、高点数を選定理由とするのをやめるよう要請。23年度までの高点数による個別指導の中止につながった。

以上

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