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【歯科社保情報】診療報酬改定に関する疑義解釈通知

全国保険医新聞2022年4月15日号より)

 

 厚労省は3月31日に歯科診療報酬に関する疑義解釈通知を発出した。通知の抜粋と併せて記載要領の主な変更点などを紹介する。

疑義解釈通知(その1)の抜粋

通信画像情報活用加算

 問4 歯科訪問診療料の通信画像情報活用加算について、訪問歯科衛生指導の実施時に当該保険医療機関の歯科医師が情報通信機器を用いて患者の口腔内の状態等を観察した日以降に、やむを得ず当該患者が入院した場合は、当該加算の算定についてどのように考えればよいか。
  当該観察日から6月以内に限り、算定できる。ただし、診療報酬明細書の摘要欄にその旨を記載すること。
 問5 歯科訪問診療料の通知において、「リアルタイムで口腔内の画像を撮影できる装置を用いて」とあるが、歯科用口腔内カメラ及び歯科診断用口腔内カメラは「リアルタイムで口腔内の画像を撮影できる装置」に該当するか。
  歯科医師がリアルタイムでビデオ画像を観察できるものであれば、該当する。
 問7 歯科訪問診療料の通信画像情報活用加算について、介護報酬の居宅療養管理指導費(歯科衛生士等が行う場合)又は介護予防居宅療養管理指導費(歯科衛生士等が行う場合)を算定した場合に算定可能か。
  算定可。この場合、居宅療養管理指導費(歯科衛生士等が行う場合)又は介護予防居宅療養管理指導費(歯科衛生士等が行う場合)を算定した日に当該保険医療機関の歯科医師が口腔内ビデオ画像を撮影できる装置を用いて口腔内等の状態を観察した旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所加算

 問8 在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、歯周病安定期治療のかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所加算を算定する場合に、診療録及び診療報酬明細書の診療行為名称等はどのように記載すればよいか。
  「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所加算」又は「か強診」と記載する。

口腔細菌定量検査

 問12 口腔細菌定量検査は、「口腔バイオフィルム感染症の診断を目的として実施した場合に算定できる」とされているが、検査の結果、口腔バイオフィルム感染症と診断された場合の管理として、歯科疾患管理料又は歯科疾患在宅療養管理料は算定可能か。
  算定可。

咀嚼能力検査、咬合圧検査、舌圧検査

 問13 口腔機能発達不全症が疑われる患者に対して、診断を目的として、咀嚼能力検査、咬合圧検査又は舌圧検査を行った場合、当該検査は算定可能か。
  算定不可。なお、「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和2年3月31日事務連絡)別添3の問10は廃止する。

画像診断

 問14 健康診断の結果等を踏まえて保険医療機関を受診した患者に対して、前歯及び小臼歯のうち3歯以上の永久歯萌出不全又は顎変形症等の保険給付の対象となる疾患を疑い、歯科パノラマ断層撮影を行った場合において、電子画像管理加算、写真診断の歯科パノラマ断層撮影及び撮影料の歯、歯周組織、顎骨、口腔軟組織の歯科パノラマ断層撮影の場合は算定可能か。
  算定可。

歯周病安定期治療

 問15 令和4年3月31日以前に旧歯科点数表における歯周病安定期治療(U)を算定していた患者について、同年4月1日以降に歯周病安定期治療を算定する場合、歯周病検査は別に算定可能か。
  算定可。
 問16 歯周病安定期治療を算定していた患者について、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準を満たさなくなり、届出を取り下げた場合の次回の歯周病安定期治療の算定は、直近の実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に可能ということか。
  そのとおり。

CAD/CAM冠、CAD/CAMインレー

 問21 CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレーについて、CAD/CAM冠用材料(V)を小臼歯に対して使用した場合、CAD/CAM冠用材料(V)の材料料は算定可能か。
  算定不可。CAD/CAM冠用材料(V)を小臼歯に対して使用した場合は、CAD/CAM冠用材料(T)又はCAD/CAM冠用材料(U)の材料料を算定する。

施設基準

 問26 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準通知において、「過去1年間に歯周病安定期治療又は歯周病重症化予防治療をあわせて30回以上算定していること」とあるが、旧歯科点数表における歯周病安定期治療(T)、歯周病安定期治療(U)及び歯周病重症化予防治療の算定実績を含めてよいか。
  届出を行う日から過去1年間に算定したものに限り、含めてよい。

 

記載要領の主な変更点

保険医療機関の所在地等欄

・レセプトへの押印が不要とされた。

「傷病名部位」欄

・初期の根面う蝕に罹患している患者の病名は「初期の根面う蝕」または「根C」と記載し、処置を行った部位を記載する。
・口腔細菌定量検査は歯式及び「口腔バイオフィルム感染症」と記載する。ただし、無歯顎患者等で当該検査に基づくスケーリングの実施予定がない場合は歯式の記載は不要。

「在宅医療」欄

・訪問診療料への通信画像情報活用加算は、全体の「その他」欄に加算点数及び回数を記載する。なお、摘要欄に歯科医師が口腔内を観察した際の訪衛指等を算定した年月日を記載する。

「X線・検査」欄

・口腔細菌定量検査の1回目は「菌検」の項の左欄に点数を記載する。2回目以後は右欄に点数及び回数を記載する。
・歯科部分パノラマ断層撮影は、「その他」欄に点数及び回数を記載する。電子画像管理加算は加算点数を合算した点数及び回数を「その他」欄に記載する。

「処置・手術」欄について

・Ni-Tiロータリーファイル加算は、「加圧根充」の欄に、左から手術用顕微鏡加算の点数及び回数、Ni-Tiロータリーファイル加算の点数及び回数を記載する。
・歯周病安定期治療は「SPT」の項に加算を含む点数を記載する。

「歯冠修復・欠損補綴」欄について

・レジン前装チタン冠の歯冠形成は、「歯冠形成」の項の「(生単)」もしくは「(失単)」の「前C」に、加算を含む点数及び回数を記載する。
・チタン冠の生活歯歯冠形成は、「歯冠形成」の項の「(生単)」の「金硬」に、失活歯歯冠形成は「(失単)」の「前C」の項に、加算を含む点数及び回数を記載する。
・「CAD」の項が「CAD冠」に改められ、「(W)」の項が追加された。前歯に対してCAD/CAM冠用材料(W)を用いた場合に点数及び回数を記載する。
・CAD/CAMインレーで、小臼歯にCAD/CAM冠用材料(T)もしくは(U)を用いた場合は、「CADIn」の「(T)」もしくは「(U)」の該当する項に、大臼歯にCAD/CAM冠用材料(V)を用いた場合は「(V)」の項に点数及び回数を記載する。なお、小臼歯にCAD/CAM冠用材料(V)を用いた場合は「(T)」か「(U)」の項に記載する。なお、金属アレルギー患者の大臼歯に用いる場合は、CAD/CAM冠と同様に紹介元保険医療機関名を摘要欄に記載する。
・チタン冠は「チ冠」の項に点数及び回数を記載する。
・レジン前装チタン冠は「前チ」の項に点数及び回数を記載する。
・「根板」の項が追加された。前歯及び小臼歯の根面板で、金パラを用いた場合は「パ前小」の項に、銀合金を用いた場合は「銀前小」の項に、点数及び回数を記載する。大臼歯の根面板で、金パラを用いた場合は「パ大」の項に、銀合金を用いた場合は「銀大」の項に、点数及び回数を記載する。歯科用充填材料Tを用いて根面を被覆した場合は、「レジン」の項に点数及び回数を記載する。
・CAD/CAMインレーの装着は、「装着」欄に加算点数及び回数を記載する。
・「磁性アタッチメント」の項が追加された。磁石構造体を用いる場合は、「磁石」の項に、点数及び回数を記載する。キーパー付き根面板を用いる場合は、「キ付根板」の内、鋳造用金銀パラジウム合金を用いて前歯及び小臼歯に対しての製作は「パ」の「前小」に、大臼歯に対する製作は「大」に、銀合金を用いて前歯及び小臼歯に対しての製作は「銀」の「前小」に、大臼歯に対する製作は「大」に、それぞれ点数及び回数を記載する。
・歯根分割歯に対しCAD/CAM冠を装着した場合は、技術料及び材料料を合算した点数及び回数を記載する。

その他の項目について

・電子的保健医療情報活用加算は、全体の「その他」欄に点数及び回数を記載する。

以上

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