5月金パラ緊急改定
告示価格3,413円に引き上げ
(全国保険医新聞2022年4月25日号より)
5月に金パラの緊急価格改定が行われ、告示価格が引き上げられることが決まった。保団連、協会・医会が、医療現場の実情を伝え、取り組みを続けてきた成果だ。
保団連、協会・医会の要望反映
5月に行われる金パラの緊急改定により、告示価格は3413円(30グラムあたり10万2,390円)とされ、4月改定での3,149円(同9万4,470円)から264円(8.4%)引き上げられる。4月13日の中医協総会で、ウクライナ情勢の緊迫を背景とした金パラ価格高騰への対応として、1月〜3月の素材価格変動に基づく随時改定の実施が決められたものだ。
過去にない急騰で大幅な「逆ザヤ」に
保団連の調査では、今年1月〜3月の金パラ市場実勢価格(税込み)は平均9万6,190円だった。同期間の告示価格は30グラムあたり8万8,530円で、購入価格の8%が「逆ザヤ」となっていた。3月には一時12万円を超える過去にない急騰を見せ、購入価格の25%を超える「逆ザヤ」が生じる時期もあった。
急拡大する「逆ザヤ」に対し、保団連は3月14日に緊急対応を求める要請書を厚労省に送付。各地の協会・医会でも歯科医療現場の実情を伝え、対応を求める声を上げた。これらの取り組みはマスコミにも多数取り上げられ、患者・国民にも歯科医療現場の状況を知らせる動きとなった。国会でも複数の議員が金パラ問題を取り上げ、対応を迫ってきた。こうした活動が今般の緊急対応として実を結んだ。
なお、5月の緊急改定の後、7月の随時改定も予定通り実施される。短期間での価格改定が続くこととなる。周知期間も短期間となるため、実務的な対応を含め留意が必要だ。
※改定後の「歯科点数早見表」保団連ホームページに掲載
以上