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国民の生存権を保障する「社会保障と平和の国づくり」か、
大企業・多国籍企業優先の「社会保障解体、海外派兵の国家改造」か
--参議院選挙で民意の審判を

本会の第1回代議員会で決議をあげました。

 2010年までの国政を担う参議院選挙で、日本の社会保障のあるべき姿と国づくりの針路が鋭く問われています。すなわち、憲法の基本理念に立ち、国民の生存権、健康権を保障する「社会保障と平和を基盤とした国づくり」へ大きく舵を切るのか、大企業・多国籍企業優先の「社会保障解体、海外派兵を軸にした改憲と国家改造」へ突き進むのかという選択です。

 97年以降の相次ぐ患者負担増による受診抑制、高すぎる保険料の未払い、保険外負担の拡大などのもとで、負担に耐えきれない国民を実質的に医療保険の外に追いやる国民皆保険制度の空洞化が進行しています。失業や非正規・不安定雇用の急増は、国民の著しい所得格差を生み出しこれに拍車をかけています。加えて、診療報酬引き下げによって医療機関の経営悪化は顕著となり、現物給付、フリーアクセス、自由開業医制を柱とするわが国の医療制度は危機に瀕しています。

 小泉自公政権が進める「構造改革」は、憲法に規定された国民の生存権とその制度的裏付けである社会保障制度を解体に導こうとしています。その方向は、@国と大企業の責任と負担を、国民の「自己責任」に転嫁し、消費税増税をはじめ新たな負担の押しつけ。A公的保障の範囲と質を縮小させる一方で、「規制改革・民間開放」を進め、日米欧の大企業・多国籍企業の利益につながる新たな市場の創出です。Bあわせて憲法9条を改悪し、武力行使を目的とした自衛隊の海外派兵に大きく踏み出そうとしています。

 今日、民意を無視した政治が強まっていますが、政治を動かす主体は国民です。我々は、市場原理とそれに基づく競争と淘汰から国民を守り、その生存権を保障するにふさわしい社会保障制度、国民が未来に展望のもてる国づくりをめざします。そのような立場から、参議院選挙で民意の審判を下すとともに、政府の「構造改革」路線に反対し、次の項目について、患者、国民とともに運動するものです。

一、 患者負担を引き下げるなど、「保険証1枚」で安心してかかれる医療保険制度とすること。

 二、「保険で良い医療」が現物給付でおこなえるよう診療報酬の改善・引上げを行うこ と。

 三、医療の市場・営利化計画の撤回。国の責務と大企業の社会的責任で、憲法に基づく社会保障を制度として充実、発展させること。

 四、消費税率の引き上げ計画を撤回するとともに、医療にはゼロ税率を適用すること。

 五、世界に誇る憲法9条をまもり、自衛隊の多国籍軍参加を止め、イラクから速やかに撤退すること。

  2004年6月27日
  全国保険医団体連合会 第1回代議員会