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社会保障予算2200億円圧縮は国民の願いに反する

2005年8月11日
全国保険医団体連合会
副会長 住江憲勇


 小泉内閣は本日、来06年度社会保障予算の概算要求基準で、社会保障費の自然増を2200億円圧縮することを決めました。社会保障費はこの間、昨04年度の年金改悪、今年05年度の介護保険改悪で、毎年2200億円ずつ自然増が圧縮され、その分が国民に負担増として転嫁されてきました。06年度の2200億円圧縮は、医療の分野で国民に負担を強いる計画になっており、断固抗議します。

 医療での負担増の中身は、@高齢者の医療費負担を2〜3割に引き上げる、A長期入院の居住費・食費を全額自己負担にする、などが検討されています。診療報酬のマイナス改定も予想され、安全・安心な医療を困難にしようとしています。

 自然増2200億円圧縮が意味するものは、今でさえ社会保障に対する不安、生活困難を抱いている国民に、さらに追い打ちをかけるものです。

 そもそも国民が政府に望んでいることは、内閣府が行った世論調査によっても、「医療・年金等の充実」が67.7%と最も高くなっています。また本会が今年6月に行ったアンケートでも、「増やしてほしい予算」のトップは「社会保障費」で87.1%でした。こうした国民の願いに背く予算編成は、直ちに止めるべきです。

 いま政府が取るべき施策は、不用・不急の大型公共事業の削減、法人税の是正、高額所得者減税の是正による財政運営です。日本は先進5カ国の中で社会保障への国庫支出が最も低くなっています。社会保障予算を大幅に拡充し、国力にふさわしい福祉国家を目指すべきです。

以上