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国民皆保険制度を崩壊させる医療「改革」法案の強行採決に抗議します


2006年5月17日
全国保険医団体連合会
会長 住江憲勇

自民・公明の与党は17日12時30分、患者負担増の医療「改革」法案を審議していた衆院厚労委員会で動議を提出し、賛成多数で同法案を強行採決しました。国民無視のこうしたやり方にまずもって強く抗議するとともに、同法案が万一成立すれば国民の命と健康を破壊するものであることをここに指摘します。

同法案は高齢者の負担を2〜3割負担に引き上げる、75歳以上の高齢者全員から新たな保険料を徴収して新高齢者医療制度を作る、高額療養費の月額上限を引き上げる、長期入院高齢者の食費・居住費を全額自己負担化するなどの患者負担増だけでなく、“医療・介護難民”を生む療養病床の廃止・削減、国の責任を放棄し都道府県に医療費「適正」化計画の押しつけ、自費診療を増やす混合診療の拡大など、日本の国民皆保険制度を根底から破壊する改悪法案です。しかしこれまでの委員会審議では、こうした負担増や制度改悪についてほとんど審議されていません。

本来であれば数回の国会で審議すべきにもかかわらず与党は、法案審議を実質9日(44時間余り)しか行わず採決を強行したもので断じて容認できません。政府は今、「歳出と歳入の一体改革」と称し、歳出面では社会保障予算の削減、歳入面では消費税の増税を画策しており、医療「改革」法案もそうした路線上に位置づけられています。本会は広範な患者さん・国民とともに、与党のこうした暴挙に抗議するとともに、法案の徹底審議・廃案に向けて参院段階で全力を挙げる決意です。

以上