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2006年9月7日
厚生労働大臣 川崎 二郎 殿

全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

医療制度改革関連法等の施行にあたって行政の説明責任を果たすよう求める要請

 前略

 本年6月に成立した医療制度改革関連法について、10月から実施される部分については施行まであと1カ月を切っています。この間、医療機関窓口では2006年4月の診療報酬の改定、7月の療養病床入院基本料の改定、公的年金等控除等の見直しに伴う70歳以上の現役並み所得者の増加と一部負担金割合の変更など、相次ぐ変更により、医療機関窓口では息つくまもなく対応を行ってきています。しかも上記の改定等の実施告示・通知の発出は大きな変更であったにもかかわらずいずれも改定月直前であったため、改定内容の周知が間に合わず医療現場に大変な混乱を招きました。

 上記のような事態がこの10月実施をめぐっても繰り返されるのではないかとの危惧を抱いています。通知等の発出の遅れによる医療現場での混乱は国会審議等の中でも問題となったものです。すでに施行まで1カ月を切っていますが、具体的な取扱いに関する告示、通知等は未だ出されていません。歯科の材料の価格改定も含め、実施内容は医療機関窓口における患者負担増に関わるものであり、本来行政が責任を持って実施内容、理由を説明する責任があります。保団連では以前からこの問題の改善を申し入れてきましたが、改善が図られずに至っているのが現状です。今後このようなことを繰り返さず、改善されるよう強く申し入れるものです。

 以上のことから下記事項について速やかに対応するよう要請致します。


1,10月実施予定の改定内容について、医療機関に患者への説明を押し付けることなく、行政機関としての説明責任を果たすこと。

  具体的には、@患者向けに内容を解説したチラシ、ポスター等を作製し全保険医療機関に配布すること。A各社会保険事務局、市町村等に相談窓口を設置し、周知を徹底すること。

2,患者負担割合変更に伴う手続きを遅滞なく行うこと。

  特に@新受給者証の交付及び旧受給者証の回収を行政の責任で行うこと、及びA旧受給者証で医療機関を受診した場合は保険者・患者間で責任を持って調整するよう指導し、医療機関に返戻するなどの責任を押し付ける対応はやめさせること。

3,実施まで1カ月をすでにきっていることから、直ちに関係する省令・告示・通知を発出すること。

4,実施内容に対する疑義が生じた場合は速やかに回答が得られるよう、特別に体制をとるなど、特段の配慮を行うこと。

5,以上の要請に対する回答を求めます。

以上