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今こそ患者負担の軽減と、医師不足を解消する診療報酬改善を求めます              

                                       

日本の社会は今、格差競争の激化と貧困の広がりのもとで、ワーキングプアや生活保護世帯が急増し、「国民の健康と命」まで営利追求の対象とする競争社会となる一方で、医療・社会保障費の水準は国民所得比でヨーロッパ諸国の7割程度に抑制されています。

地域医療はこれまでにない危機に直面しています。矛盾の多い歯科医療、リハビリの日数制限、療養病床の削減をはじめ、産科医や小児科医等がいない医療過疎の地域が各地で生まれ、看護師不足も深刻さを増しています。医療機関の格差と競争も余儀なくされ、地域医療の崩壊は社会問題になっています。

一方、法人税は1990年以降17年間で160兆円もの減収で、大企業は史上最高の利益を4年連続で更新し、「空前の繁栄」が続いています。

 政府、財界がめざす日本のあるべき姿とは、安倍首相の『美しい国』や御手洗経団連会長の『希望の国』が描いたように、今日の日本をむしばんでいる社会的な歪みを直すどころか、医療・社会保障を切り捨てる一方で、庶民から増税で吸い上げ、大企業には減税でばらまく、そして「権力を縛る」憲法から、「国民を縛る」憲法として9条、25条も変え、「戦争のできる国づくり」に道を開くことです。

2007年度は「医療改革関連法」の具体化や改憲手続きの法制化が問われるなど、将来にわたる日本の医療と国のあり方を左右する重大な年です。

私たちは、これ以上の格差社会の進行をやめさせ、利益に応じた大企業の社会的責任の発揮と、国民生活重視に財政構造を転換させるなかで、憲法9条、25条を生かした「社会保障と平和を基盤とする国づくり」をめざします。

深刻な国民医療の実態を改善させる世論を大きく広げ、患者負担軽減と診療報酬改善・引き上げをはじめ次の要求を、統一地方選挙、参議院選挙の争点に押し上げ、その実現に全力をあげることを表明します。

                   

一、保険で良質、安全な医療を保障するため、患者負担を軽減し、診療報酬の改善・引き上げを行うこと。「登録人頭払い制」の診療報酬導入反対。

一、医療費削減・抑制の管理を自治体と国民に転嫁し、医療への企業参入を進める「医療改革関連法」の具体化・実施をやめること。

一、歯科疾患総合指導料を廃止すること。文書発行の義務化をとりやめ、初・再診料の引き上げ、新規技術の導入など低い歯科診療報酬を改善すること。

一、リハビリ診療報酬の日数制限を撤廃すること。

一、療養病床廃止・削減を撤回し、高齢者が安心して療養できる施設を整備すること。

一、診療報酬オンライン請求義務化をやめること。

一、高すぎる国保保険料を引き下げ、短期保険証・資格証明書の発行をやめること。

一、医療へのゼロ税率を適用し、消費税率引き上げと社会保障目的税化を行わないこと。

一、国民投票法案の提出はやめ、社会保障と平和に逆行する改憲を行わないこと。

                             2007年1月28日
全国保険医団体連合会第2回代議員会