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事件の徹底糾明と国民の信頼に応える歯科保険医療の改善を不退転の決意で追求する


07年5月16日
全国保険医団体連合会
歯科代表 宇佐美 宏

 昨年4月の診療報酬改定以降、歯科医療費はマイナス1.5%を大きく下回り、前年比マイナス2.6%まで落ち込み、歯科医療担当者はかってない負担と犠牲を負わされた。また、国民の多くも窓口負担の増大で必要な歯科受診から遠ざけられた結果、歯科保険医療は崩壊の瀬戸際に立たされている。

 我々全国保険医団体連合会は、こうした歯科医療の危機を突破し「保険で良い歯科医療」を守り改善するための諸活動を患者、国民と手をたずさえ全国各地でねばり強く取組んできた。

 こうした時に、保険診療の業務を巡り指導医療官1人、歯科医師を養成する大学同窓会副会長2人、計3人の逮捕という贈収賄事件が発覚した。

 報道の内容が事実であるならば、今回の事件は歯科医師に対する信頼と共に皆保険制度に基づく保険診療に対する患者、国民の信頼をも大きく傷つける許し難い犯罪行為といわねばならない。

 3年前の日歯連贈収賄事件と同様の、保険診療を巡る贈収賄事件に対して深い憤りを覚える。

 逮捕された贈賄側が日本歯科医師会の前専務理事と歴史ある大学同窓会幹部であることの影響は大きく、社会的責任は一層重大なものがある。

 構造的とも指摘される歯科界に特異な、大学同窓会組織を背景に繰り返された贈収賄事件を二度と許さないためには、司直による徹底的な真相究明と共に関係者自ら事件の真相を明らかにすることが必要である。

 この事件後、最近一層強められている、審査・指導大綱を逸脱した保険医の人権を無視する不当な審査や指導の更なる強化、及び危機的状況にある歯科医療を崩壊させるような4度の診療報酬マイナス改定には断固反対する。

 二度にわたり引き起こされた贈収賄事件に対して、我々歯科医療担当者は真摯に受け止め、これまで以上に自浄作用を強めていくとともに、保険で良い歯科医療を求める多くの患者、国民と力を合わせて、歯科医療危機を突破する運動を今後とも力強くすすめていく決意である。