※全国保険医団体連合会は、下記の要請書を厚生労働大臣、保険局医療課長ほか、マスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:286KB])。
再診料における電話再診の評価の引き下げと
一物多価の報酬設定の導入に反対します
2017年12月19日
全国保険医団体連合会
医科社保・審査対策部長
武田 浩一
本年12月1日、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)で「遠隔診療」の審議が行われ、「オンライン診察に係る再診料の新設に伴って、電話再診についても整理を行い、対面での再診よりも低評価とする」方向性が示されました。
しかし、保団連が2012年12月に取りまとめた「医科再診料アンケート」結果によれば、1月当たりの再診料収入に対し「看護師及び医療事務員の給与総額」のみを比較したところ、外来管理加算を考慮しても、なお算定1回当たり6点以上の不足が明らかとなっています。現在の点数設定では、患者の病態診断や治療方針の策定等に係る医師の技術料が評価されていないにもかかわらず、現行の電話再診の評価(72点)を引き下げることは、実質的な再診料の引き下げと同義であり、到底容認できません。
電話再診は、疾患に対する継続的な医学管理の下で「患者、家族からの求めに応じて治療上必要な適切な指示をした場合」に算定できるものです。例えば、精神科や産婦人科では患者から頻繁に電話連絡が入るケースもあり、情報が限定される環境であっても、医療機関は責任を持って「療養の給付」を提供しています。応需体制をとっていない時間帯に対応する際の負担も決して軽くありません。患者に対して必要な医学管理を継続するためには、臨床現場の医師のモチベーションを下げるような乱暴な改定を行うべきではありません。
基本診療料は、医師の診療技術に対する最も基本的な評価です。患者に対して必要かつ十分な医療提供を担保するためにも、医療機関経営を安定させる十分な原資となるだけの点数設定がされるべきであり、一物多価の設定を持ち込むなどあってはなりません。
保団連は「遠隔診療(オンライン診察・医学管理)について2018年診療報酬改定での拙速な保険導入は止めるべき」との立場から、電話再診に係る再診料評価の引き下げに対しても、下記の通り強く要望します。
記
一. |
「オンライン診察に係る再診料の新設」と連動させて電話再診に係る評価を引き下げ、再診料に一物多価の報酬設定を導入することは、絶対に止めて下さい。 |
以上