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※全国保険医団体連合会では、プレスリリースをマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:612KB])。

【プレスリリース】歯科用貴金属(「金パラ」)の
価格高騰に関する資料について

2020年1月10日
全国保険医団体連合会

 

 歯科治療に用いる「金銀パラジウム合金(「金パラ」)」の歯科医院での購入価格が、保険材料として償還される公定価格を大幅に上回り、いわゆる「逆ザヤ」として歯科医院経営を圧迫し続けています。
 当会は、「金パラ」の市場価格と公定価格との乖離の実態を明らかにすべく、昨年より「金パラ逆ザヤシミュレータ」調査に取り組み、会員医療機関での金パラ購入価格を調査してきました。その結果、2019年12月の平均購入価格は67,696円(30グラム・税込)であり、現在の公定価格である50,250円(30グラム・税込、1グラム1,675円)では17,446円(25.8%)の大幅な乖離が生じていました。この結果から全国の歯科保険診療での「逆ザヤ」発生額を推計すると、月額42.2億円という巨額の「逆ザヤ」を歯科医療機関が負担していることになります。
 背景には、パラジウムの価格が工業需要の急増等を背景に近年上昇を続けてきたことがあります。さらに、中東情勢の不安定化や中国経済の見通しなど国際情勢の動向等を受けて、金とパラジウムの価格が昨年末来急騰しています。今後、さらなる「金パラ」価格上昇と「逆ザヤ」拡大が危惧され、このままでは金属を用いた歯科治療が継続できなくなる事態も想定され、喫緊の対策が求められております。

以上