5章 日本の医療 世界からみると
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日本の医療費30兆円は、確かに大きい金額です。しかし、世界第2位の経済大国の国力からみるとどうでしょうか。
国内総生産(GDP)に占める医療費の割合を比較してみると、日本は、OECDの2002年の発表では19位、2005年の発表では18位となっており、国際的にみて国力に見合った医療費を出していないことがわかります。
2000年の発表で22位のイギリスでは、サッチャー元首相時代の医療改革で、ここまで低くなり、医療の質も落ちました。そこで、保守党に代わって1997年5月に成立した労働党ブレア政権は、国民の健康維持政策をかかげ、97年には医療費を05年までに今の1.5倍にまで高めると公約し、02年4月には03年度から07年度までの5年間にかけてNHS予算を毎年実質平均7.4%引き上げるとともに、これを補完する社会サービスの予算も03年度から05年度まで毎年実質平均6%の引き上げる予算案が発表されています。
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