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電話再診料 引き下げ方針
―「オンライン診察」具体化と連動―

全国保険医新聞2017年12月25日号より)

 

 

医療費抑制方針の具体化

 厚労省は12月1日、中医協総会で「オンライン診察・医学管理(遠隔診療)」に関する再診料や医学管理料の新設等を提案した。診療側、支払側とも異論なく了承し、点数項目の新設に向けた審議が行われた。医療費抑制やベンチャービジネスの拡大を目的とした政府の“遠隔診療”推進の方針を、次回改定で無理やり具体化する形だ。
 保団連は▽緊急時対応等の医療安全管理▽情報通信機器の水準▽患者の個人情報保護▽医学的エビデンスに基づくオンライン診察の検討―等の課題について中医協での十分な審議を求めており、拙速な保険導入に反対している。

 

情報量少ない分評価下げる

 同日の中医協で、厚労省は電話再診の評価の引き下げにも言及した。現行の再診料より低点数となる“遠隔”再診料の新設に伴い、電話再診の評価を引き下げる方向だ。対面診療と比べて情報量が少ない分、評価に差をつける認識を示した。

 

電話でも負担は軽くない

 電話再診は、継続的な医学管理の下で「患者、家族からの求めに応じて治療上必要な適切な指示をした場合」に算定する。
 精神科や産婦人科、小児科等では患者、家族から電話が入るケースも多く、情報が限定される環境であっても、医療機関は責任を持って「療養の給付」を提供している。応需体制をとっていない時間帯に対応する際の負担も軽くはない。
 点数の引き下げ自体に中医協委員からの反論はなかったが、保団連は“遠隔”再診料の新設と連動させて電話再診の評価を引き下げ、再診料に一物多価を導入することは容認できないとしている(要請書「電話再診の評価の引き下げ反対」)。

以上