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天井知らずの負担増く―「骨太方針」盛り込まれてはならない
財務省提案、患者負担を「自動的に調整する仕組み」

全国保険医新聞2018年5月25日号より)

 

 

 財務省は4月25日の財政制度等審議会で、医療費が増加した場合に経済成長や人口動態を踏まえて「医療保険の給付率を自動的に調整する仕組み」を導入するよう提案した。「患者負担が天井知らずに引き上がり、国民皆保険が壊れる」(5/10)と声明を発表した全国保険医団体連合会の住江憲勇会長に問題点を聞いた。

 

―財務省は人口減少の中での制度の持続可能性を強調しています。

 この提案は、端的に言えば、高齢化などによって医療費が伸びた分をもっぱら患者負担の引き上げによって対応するというものです。支え手となる現役世代の保険料負担を抑制することを口実にしていますが、公費負担の拡充をまったく不問にしている点は論点のごまかしです。そもそも日本は他の先進国と比べても、高齢化率のわりに社会保障への支出が低いのが実態です(図)。

 

―日本医師会の横倉義武会長は、経済成長できなかった場合に「患者のみに負担を押し付けようという提案はあまりにも無責任」と指摘しています。

 そのとおりだと思います。アベノミクスによる金融緩和や規制緩和、法人税減税などの結果、金融資産が多い大資産家や大企業は利益を増やす一方、働く人の実質賃金は低下し消費税増税も影響して消費も冷え込み、経済成長の足を引っ張っています。
 政府、財務省の態度は経済・財政政策が失敗すればもっぱら社会保障分野に尻拭いさせる、それも医療を必要とする高齢者に負担を押し付けるものです。75歳以上の高齢者の9割近くが、何らかの慢性疾患を抱え医療を必要としています。医師・歯科医師の団体として到底容認できません。国民の拠出能力が脆弱であるほど社会的扶養を拡大するのが社会保険制度の原理・原則です。

 

―保団連では財務省の提案を撤回させる取り組みを呼び掛けていますね。

 このようなでたらめな提案が、今夏にまとまる「骨太の方針2018」に盛り込まれるようなことはあってはなりません。
 保団連では財務省提案の撤回を求める医師・歯科医師の声を政府や国会議員、マスコミなどに発信していきます。

以上