ホームニュースリリース・保団連の活動医療ニュース 目次

機械的審査拡大を懸念
医療保険関連法が成立

全国保険医新聞2019年6月5日号より)

 

 マイナンバーカードによるオンライン資格確認の導入や審査支払機関改革など16本の法律を一括改正する医療保険関連法が、5月15日に成立した。保団連は、マイナンバーカードの院内持ち込みによる紛失や番号漏洩リスクの増大、支払基金の機械的審査・査定の拡大などが患者や医療現場に混乱をもたらすと指摘。わずかな審議日程で懸念が払拭されないまま採決されたことに強く抗議した(5/14「【談話】健康保険法等の一部改正法案の参院委員会での採決に抗議します」)。

 

番号カードを用いる必要はない

 法改正により2021年3月からマイナンバーカードによるオンライン資格確認が導入される。
 医療現場にマイナンバーカードが持ち込まれることで、院内でのカード紛失や番号漏えいなど混乱が懸念される。国会審議でもこれらの疑問や懸念は何ら払拭されなかった。保険証でもオンラインでの資格確認を可能とする仕組み(被保険者番号の個人単位化)が準備されており、マイナンバーカードによる資格確認は必要ない。政府は、医療保険の資格確認をきっかけにマイナンバーカードの普及を狙う。マイナンバー制度のインフラに患者の医療情報を紐付けしやすくなることに警戒が必要だ。

 

再編統合ありきの基金「改革」

 審査支払機関は、医療保険給付の審査、迅速・適正な支払を担ってきた。法改正で基本業務に「データ分析等」が追加され、医療費抑制を主眼としたビッグデータの活用など国が進めるデータヘルス改革の推進役に変貌させられる。47都道府県に設置された支部の集約化と本部への統合、手数料体系の変更等により、患者の個別性が考慮されない機械的審査の拡大、保険者の意向に応じた査定が強まることが危惧される。国会審議では、支払基金支部の集約化に関する実証テストで明らかになった課題の解消に向けた具体策も示されなかった。拙速で見切り発車と言わざるを得ない。衆参の厚労委員会では、地域医療の特性を踏まえ、支払基金の審査委員会、審査事務局が引き続き47都道府県に設置されるよう必要な措置を求める附帯決議が採択された。保団連はこの趣旨に即し対応することを強く求めている。
 NDBと介護DB等統合・連結解析も可能となり、民間事業者への情報提供で情報漏洩や個人の特定が危惧される。

以上