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注射手技に係る評価、補綴の技術料引き上げを |
(全国保険医新聞2019年12月5日号より)
2020年診療報酬改定に向けた保団連要求を紹介する。保団連は今年6月に要求をまとめ、8月8日には厚労省要請を実施するなど、取り組みを進めている。
注射に係る評価の低さについて、抜本的な引き上げを求める会員の声は従前から多い。注射は、1つ誤れば重大な医療事故につながりかねない点から細心の注意を必要とする医療行為だ。しかし現状は、まず注射の手技料にシリンジ、針、消毒液や点滴ライン等の材料費が包括されているため、医療機関は現状の所定点数ではまかないきれず持ち出しをせざるを得ないのが現状だ。
また、注射薬の処方に関しても全く評価されておらず、この不合理は内保連(内科系学会社会保険連合)も指摘している。
さらには、高齢者の静脈への穿刺に関しても乳幼児と同様に困難な手技であるにも関わらず、全く評価されていない。
保団連は、会員から寄せられた声を踏まえ、注射に係る各手技料は少なくとも材料費分を加味した水準、具体的には皮内、皮下及び筋肉内注射を現行の20点から30点、静脈注射を32点から50点に引き上げること、注射薬の処方に係る評価や高齢者加算の新設などを求めている。
歯冠修復・欠損保綴には、超高齢化社会の進行に伴う需要の増加が予想され、いかに治療の質を維持するかが課題となる。一方で、これらの技術料は依然として低く抑えられたままであり、課題の解決には大幅引き上げが不可欠である。
保団連では、補綴時診断料、印象採得等のチェアサイドにおける技術料の大幅な引き上げを要求しているほか、包括・廃止された項目のうち、患者にとって有益と認められるものの再評価を求めている。再評価の項目としては、「義歯新製、義歯修理に際して、必要に応じて補強線を使用した場合の別途算定」、「乳臼歯、大臼歯の単冠での4/5冠の再評価」等を要求している。
また、新製有床義歯管理料に関して、算定単位をクラウン・ブリッジ維持管理料と同様の1装置ごとに見直し、6カ月ルールも自院の製作物に限定することを求めている。クラウン・ブリッジ維持管理料については、管理可能か不可かを歯科医師の裁量で判断した上で算定を選択できるよう、届出医療の対象としないことを要求している。
以上