新型コロナウイルス感染症患者の状況等を踏まえ、診療報酬等の取り扱いについて、「臨時的な取り扱い」と、臨時的な取り扱いに対する「疑義解釈」をまとめた事務連絡が、厚労省から4月14日までの間に「その11」まで出された。4月に入ってからそれまでの取扱いが変更されたもの、取扱いに新たに加えられたものがあるため、注意が必要だ。現時点での主に一般外来診療における取扱いの概要を以下に掲載する。
外来・一般患者の取り扱い【初診から電話や情報通信機器を用いた診療を実施する場合】 患者から電話等により診療等の求めを受けた場合において、診療等の求めを受けた 医療機関の医師は、当該医師が電話や情報通信機器(以下「電話等」)を用いた診療により診断や処方が 当該医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲で可能である。ただし麻薬及び向精神薬の処方をしてはならないとされた。 (注意事項)
(実施に当たっての条件) 実施に当たって次の@〜Bを満たすことが条件となる。
(算定する点数) 当該初診における診療報酬は、病院・診療所とも下記を算定する。なお、算定する初診料(低紹介率初診料)は、本来は特定の病院で算定する点数だが、特例措置として診療所で算定できる。また一部負担金の徴収は、銀行振込、クレジットカード決済、その他電子決済等の方法で差し支えない。 ・A000初診料(注2:低紹介率初診料)(214点) ・F000調剤料、F100処方料、F500調剤技術基本料、薬剤料 ・F400処方箋料 (患者が薬局において電話等による「服薬指導等」を希望する場合) 処方箋の備考欄に0410対応」と記載し、患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にFAX等により処方箋情報を送付する。なおその際にはカルテ記載、処方箋原本の送付等が必要となるため、注意が必要である。
【2度目以降の診療を電話や情報通信機器を用いて実施する場合】 (算定する点数)診療所及び200床未満の病院はA001再診料(73点)を算定するとともに、特例として下記が算定できる。
※4/25号より、上記枠内の取消線部分を削除として訂正いたします。なお、4月10日以降も当該点数は算定できません。 200床以上の病院は、特例としてA002外来診療料(74点)及び上記囲みの点数が算定できる。 (処方について) 事前に診療計画が作成されていない場合であっても、これまでも処方されていた医薬品を処方できる。また当該患者の当該疾患により発症が容易に予測される症状の変化については、これまで処方されていない医薬品の処方ができるが要件がある。
過去3月以内に在宅療養指導管理料を算定した慢性疾患等を有する定期受診患者等について、衛生材料又は保険医療材料を支給した場合に限り、在宅療養指導管理料及び在宅療養指導管理材料加算を算定できる。なおこの場合の診療録への記載方法、衛生材料、保険医療材料の支給の取扱いの要件がある。
新型コロナ患者(疑い)の診療【B001-2-5院内トリアージ実施料(300点)が算定できる場合】 (届出医療機関)B001-2-5院内トリアージ実施料(300点)を届け出ている医療機関は、新型コロナウイルス感染症患者(疑いを含む)の診療については、受診の時間帯によらず、再診時も含め院内トリアージ実施料を算定できる。 (未届出医療機関) B001-2-5院内トリアージ実施料(300点)を届け出ていない医療機関であっても、新型コロナウイルス感染症患者(疑いを含む)については、初診時、再診時とも、受診の時間帯によらず、院内トリアージ実施料を算定できる。 ※届出の如何によらず、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」に従い、院内感染防止等に留意すること。 なお、その診療に当たっては、患者又はその家族等に対して、院内感染防止等に留意した対応を行っている旨を十分に説明する。
届出など施設基準の取扱い【地域包括診療加算等の「研修」について】 A001再診料の注12地域包括診療加算及びB001-2-9地域包括診療料の施設基準に規定する慢性疾患の指導に係る適切な研修について2年毎の届出が必要とされているが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当該研修が中止される等のやむを得ない事情により、研修に係る施設基準を満たせない場合は、届出を辞退する必要はない。ただし、研修が受けられるようになった場合には、速やかに研修を受講し、遅滞なく届出を行う必要がある。
「帰国者・接触者相談センター」の指示で200床以上の病院の帰国者・接触者外来等を受診した場合は、初診時の選定療養費の徴収は認められない取扱いとなっていることから、相談があった際には留意されたい。 以上 |