マイナ保険証「本格運用」撤回を
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各紙がマイナンバーカードの保険証利用「本格運用」を報道した |
「そろそろ、あなたもマイナンバーカード」のフレーズが著名人と共にデザインされた全面広告を厚労省などが作り、10月10日付で全国紙各紙が掲載した。広告内で「利用できる医療機関・薬局等については、厚生労働省のホームページで公開しています」と案内している。案内先のホームページでは、1万3,313の施設名が公開されている(10月24日現在)が、どれだけの患者さんが、このホームページで確認した上で受診するかは疑問だ。
マイナンバーカードの保険証利用の準備のできていない医療機関や、カードリーダーを設置していない医療機関に患者さんがマイナンバーカードのみで受診を求めた場合は、「保険証忘れ」と同様の取り扱いとなることが、9月22日の社会保障審議会医療保険部会で確認されている。
医療機関の窓口での「保険証忘れ」の対応は、過去に受診歴があれば「次回保険証を持参してください」などと伝え、患者負担1〜3割を受け取る場合が多いが、原則は患者さんがいったん10割負担し、後日、被保険者資格を確認した上で自己負担割合に応じた額を返金する扱いとなる。
マイナンバーカードの保険証利用ができないことによる医療機関窓口での混乱が懸念される。
そもそも、わずか5.1%の医療機関でしかマイナンバーカードが使えない時点で「本格運用」を宣言すること自体が誤りである。政府は、医療現場での混乱を招く「本格運用」を速やかに撤回すべきだ。
保団連は、10月14日にマスコミ各社に対して、マイナ保険証の「本格運用」の報道について要望書を提出した(関連資料10/21「【談話】マイナンバーカードの保険証利用の報道についてのお願い」)。
内容は、次の2点。@「10月20日に『本格運用』となってもほとんどの医療機関でマイナンバーカードは保険証としては使えないことが理解できる報道としてください」、A「しばらくの間は、マイナンバーカードでの受診を希望する場合でも、保険証を合わせて持参することを呼び掛けてください」。
以上