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※新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえて、全国保険医団体連合会では1月29日2月6日に続き、下記の要望書を総理、厚生労働大臣に送付しました(PDF版はこちら[PDF:169KB])。

【要望書】新型コロナウイルス等感染症対策の
抜本的強化を求める緊急要請(その3)

2020年2月20日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 前略 国民の医療と健康確保に対する貴台のご尽力に敬意を表します。
 さて、日本国内においても、感染ルートが把握できない罹患者が発生しており、市中感染拡大を前提にした対策の強化が求められています。
 全国保険医団体連合会では、1月29日には感染対策の強化を求める要望書を提出し、2月6日には医科・歯科医療機関等へのマスク等の安定供給の強化を求め、政府におかれましても対策の強化が行われていますが、まだまだ不十分です。
 特に、感染症対策の基本は、感染者を潜伏させないことにあります。
 市中感染拡大を食い止め、国民の命と健康を守るために、改めて下記事項の実現を求めるものです。

1. 感染症対策の基本は、感染者を潜伏させないことにある。従って、無保険者や在留外国人を含め、国内にいるすべての方が検査及び治療ができるようにすること。また、新型コロナウイルスの感染の疑いに限らず、国保資格証明書による受診であっても通常の国保証と同様に現物給付とすること。また、国保資格証明書の交付をやめ、通常の国保証をすべての加入者に届けること。患者負担増計画を止め、窓口負担の引き下げを行うこと。
2. 感染症病床を確保すること。治療体制確保のために、大学や公立・公的病院をはじめ、協力する民間医療機関や自治体への財政支援を行うこと。
3. 医科・歯科医療機関では、マスクや衛生材料、消毒液等が不足しており、通常の医療提供が困難になっている。災害備蓄を提供するとともに、安定供給に向け、関係業界団体への要請を再度行うこと。
4. 不確かな情報の流布やパニックの助長を防ぐため情報を公開し、受診方法等を含めた、国民、マスコミ、医療機関等への情報提供は、懇切・丁寧に行うこと。
5. 新型コロナウイルス検査実施施設及び検査可能件数をさらに引き上げ、検査対象を広げること。また、検査キットの開発・生産を早急に行うこと。
6. クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の隔離策の問題点や教訓について検証を行い、人道的立場に立った対策を強化すること。
7. 新型コロナウイルスワクチンの開発・生産を早急に行うこと。医療担当者等へのワクチン接種を無償で行うこと。
8. 新型コロナウイルスに限らず、感染症対策を強化するため、下記を実施すること。
(1) 必要なワクチンが自己負担なく受けられるよう、国が財政援助を行うこと。
(2) 保健所数を増やし、機能を強化すること。
(3) 公立・公的病院の再編・統合計画を中止し、民間病院も含め、強制的な病床削減を行わないこと。
(4) 一般医療機関における感染症対策強化のため、診療報酬を引き上げること。
(5) 日本においてもCDCを創設し、感染症に対応できる仕組みを構築すること。
9. 上記の対策を早急に行えるよう、必要な補正予算を組むこと。

以上