主催者より

住江 憲勇

ごあいさつ

全国保険医団体連合会
会長 住江憲勇

臨床の現場からの発信

  第38回保団連医療研フォーラムは、10月8日(土)、9日(月・祝)の両日、東京・都市センターホテルで開催します。新型コロナウイルス(COVID-19)感染症も4年目を迎え、5月には5類に移行しましたが、移行直後から第9波となる等、困難は続いています。本年も前回と同様、WEBを併用しての開催となりました。

 この間、保団連、保険医協会・医会は、オンライン資格確認原則義務化や保険証廃止が、医療機関の存続のみならず国民皆保険を揺るがす大問題であることを提起してきました。全国の協会・医会挙げての取り組みが国会、マスコミを動かし、政府の方針にも影響を与えつつあります。

 一方、わが国での新型コロナウイルス感染症の流行は4年目を迎えましたが、この厳しい状況の中でも、地域医療の第1線で私たち医療者はその役割を発揮してきました。こうした経過を踏まえ、今回の医療研フォーラムは「いのちと暮らしを支える医療~臨床の現場からの発信~」をメインテーマに掲げました。

  記念企画では、山極 壽一氏(総合地球環境学研究所所長・京都大学名誉教授)をお招きし、人類学、霊長類学や人類史の観点から、コロナ禍を経験した人間社会のあり方や課題、患者・住民と向き合う地域医療の役割などについてご講演をいただきます。

 また、今回の医療研究フォーラムに併せて実施した共同調査「コロナ禍4年目の診療現場の実態・意識調査」には、全国の協会・医会のご協力をいただき、多くの回答を寄せていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。現時点での患者の受診動向、医療機関の経営状況とともに、医師・歯科医師の業務量の変化、疲労度などについて調査を実施しました。この結果をご報告し、今後の医療機関支援の取り組みに活かします。

 医療研フォーラムの目玉は、何といっても日常診療の実践、工夫に基づく演題発表、ポスターセッションです。今回は42題の演題応募がありました。4年ぶりに現地会場での口演、質疑を通じた交流を行います。また、Web参加の方のために、リアルタイム配信、オンデマンド配信も行います、成果を最大限に共有し、研鑽に活かして参りましょう。

 しめくくりのシンポジウムは、「認知症に向き合う医療 ~予防と共生に向けて~」をテーマに、地域の医療現場で認知症の方やその家族と接していく機会が確実に増えていく中、認知症の予防と対応、共生に向けた課題を考えます。

多くの会員の皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。