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発熱外来、「指定」は各県で「補助金」は国から
補助金活用の留意点

全国保険医新聞2020年10月25日号より一部修正)

 

 インフル流行期に備え、発熱患者等の診療・検査を担う「診療・検査医療機関(仮称)」の指定と国の補助金受付が開始されている(10月5日15日号で概要解説)。指定の受付などは各都道府県で様式が異なる。あらためて指定及び補助金の活用上の留意点を解説する。

 

 「発熱外来診療体制確保支援補助金」は厚労省が申請窓口となる。補助金申請には、都道府県知事から「診療・検査医療機関(仮称)」の指定を受ける必要がある。しかし、指定の手続きをホームページ上で案内しているのは14都府県に留まり、多くの道府県では十分な広報がされていない。
 指定や補助金申請は11月以降も可能であり指定を検討する医療機関は、ネットで「診療・検査医療機関 ○○県 指定」で検索するか、県の担当課(感染症対策課、コロナ対策室など名称は異なる)、最寄りの保健所、医師会等に問い合わせをお願いしたい。
 なお、補助金の額は「基準患者数」と「受診患者(受入患者)数」の差引人数(体制確保数)×1万3,447円であるが、9月15日付厚労省通知では「発熱患者等の受診患者数が0人の月は、算定額を2で除した額を算定」となっていた。このため本紙10月5日号3面では1月単位で差引が行われる前提で補助金の計算事例を掲載したが、10月9日に発表された補助金の案内では、受診患者については1日単位で差引を行うことに改められた。
 これに基づいて交付額の計算例示を1日単位に改めたので参照いただきたい(下表)。
 また、補助金の支払いは、次のア〜エの通り行われるので留意されたい。

@自院のかかりつけ患者以外の患者等も受け入れる場合の例示

診療時間 受診者数 補助額(1日当たり)
1日7時間 基準額 20÷7×7=20人×13,447円=268,940円
0人 67,235円÷2=134,470円
1人 20−1=19人×13,447円=255,493円
20人以上 20−21=▲1=0人×13,447円=0円
※発熱患者数が0人の月は、補助金が2分の1となる。
※1日7時間以上で設定することも可能だが、その場合も1日20人分が上限。

A自院のかかりつけ患者等のみを受け入れる場合

診療時間 受診者数 補助額(1日当たり)
1日2時間 基準額 5÷2×2=5人×13,447円=67,235円
※診療・検査対応時間を1時間にした場合は、
5÷2×1=2.5人×13,447円=33,617円
0人 67,235円÷2=33,617円
1人 5−1=4人×13,447円=53,788円
5人以上 5人以上診察した場合は、5−(5+α)となるため、補助金はゼロ円となる。
※発熱患者数が0人の月は、補助金が2分の1となる。
※1日2時間以上で設定することも可能だが、その場合も1日5人分が上限。

 

【申請・交付の手順】

 「基準患者数」と「想定患者数(受診患者数の見込み)」の差引人数に1万3,447円を乗じた額に、3月末までの稼働日数を乗じた額を交付申請書に記載する。
 補助金は2回に分けて交付され、1回目は申請額の5割を基本として支払われる。請求書には、アの交付申請額の5割相当金額を(10万円単位に四捨五入)を記載する
 1月頃に実際の受診状況を確認し、大きく変動している場合は変更申請を行い、補助金の追加又は減額を行う。
 3月までの受診者数等の実績を報告し、補助額が確定する。

医療機関向け情報は、自治体・医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)(新型コロナウイルス感染症)を参照いただきたい。

以上

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