日本被団協のノーベル平和賞受賞に祝意を表します

2024年10月17日
全国保険医団体連合会
会長 竹田智雄

日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が2024年ノーベル平和賞を受賞したことに、心からの祝意を表します。長年にわたり、「ふたたび被爆者をつくるな」(No more Hibakusha)と訴え続けてきた運動が世界的に認められたことは、私たち全国保険医団体連合会(保団連)にとっても大きな喜びであり、私たちに核兵器のない世界を実現する活動の重要性を再確認させるものです。

日本被団協は、1956年の結成以来、原水爆の非人道性を広く世界に訴え続けてきました。広島・長崎の惨状とビキニ事件の恐怖を伝えてきたその活動は、国際的にも核兵器廃絶運動の中心的存在となり、核兵器禁止条約の成立(2017年採択・2021年発効)に大きく貢献しました。被爆者による長年の活動が、国際社会に影響を与え続けていることに、改めて深く敬意を表します。

核兵器は人類の生命と健康に対する究極の脅威です。ひとたび核戦争が起これば、医療従事者に為す術は殆どありません。核戦争の惨禍を未然に防ぐ手段は、核廃絶以外ありません。私たち保団連は、この認識の下に1989年に定めた「開業医宣言」で「人命を守る医師はいかなる戦争をも容認できない。私たちは歴史の教訓に学び、憲法の理念を体して平和を脅かす動きに反対し、核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任であることを確認する」という立場を明らかにし、被団協の活動とも連帯して活動してきました。

また、今回のノーベル平和賞受賞は、国際社会に対して核兵器禁止条約への支持をさらに広げる契機となります。特に唯一の戦争被爆国である日本が、この条約を未だに批准していないことは重大です。私たちは日本政府に対し、核兵器禁止条約の早期批准と、唯一の戦争被爆国の政府として核兵器廃絶のための責務を果たすよう強く求めます。

現在、核兵器に拠る威嚇が公然と行われ、核兵器使用の危険が高まっています。国連事務総長も「今こそ、狂気を止める時だ」と訴えている通り、私たちはこの流れに歯止めをかけるために行動しなければなりません。

私たちは生命と健康を守る医師・歯科医師として、引き続き核兵器廃絶に向けた取り組みを強化し、未来の世代に平和で核のない世界を引き継ぐため、尽力して行く決意です。