医療機関へのオンライン資格確認義務化

11月29日 実態調査速報(10月14日-11月20日、8707件)を公表しました。

調査結果(11月20日)  概要説明

保険証廃止意見

マスコミ各社の報道

 

マイナ保険証、4割超で不具合 運用開始した医療機関 | 共同通信 (nordot.app)

マイナ保険証は本当に義務化して大丈夫? オンライン資格確認、導入医療機関の4割で不具合:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合 運用開始した医療機関 | 中国新聞デジタル (chugoku-np.co.jp)

マイナ保険証 千葉県保険医協会調査 回答医師の7割が反対 「これでは押し売り」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

マイナンバーカードの保険証利用「ほとんどいない」8割 一本化は2年後だが: J-CAST トレンド【全文表示】

マイナ保険証7割反対 千葉県保険医協調査 「現場混乱」と問題視 | 千葉日報オンライン (chibanippo.co.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合 | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合 運用開始した医療機関:山陽新聞デジタル|さんデジ (sanyonews.jp)

マイナ保険証の義務化を許すな! 医師、弁護士らが反対集会 | 週刊金曜日オンライン (kinyobi.co.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合 | 全国のニュース | 岩手日報 IWATE NIPPO (iwate-np.co.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合 運用開始した医療機関|全国のニュース|京都新聞 (kyoto-np.co.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合  – Miyanichi e-press (the-miyanichi.co.jp)

マイナ保険証 4割不具合 運用開始の医療機関 | 山陰中央新報デジタル (sanin-chuo.co.jp)

マイナ保険証、4割超で不具合【文化・くらし/全国・海外】 | さんにちEye 山梨日日新聞電子版 (sannichi.co.jp)

保険証マイナカード一体化、開業医ら62%「反対」 香川県保険医協:朝日新聞デジタル (asahi.com)

マイナ保険証強制やめて/東京・新宿 保団連・中央社保協など宣伝 (jcp.or.jp)

 

 

 

 

 

 

全国保険医新聞 2022年9月15日号ポスター
全国保険医新聞 2022年9月5日号ポスター

【国会審議】保険証廃止、オンライン資格確認質問続く(11月1日厚労委審議)

 11月1日の参議院厚生労働委員会では、引き続き、保険証廃止・オンライン資格確認義務化をめぐり質問が続いています。各協会・医会からの議員要請が国会での質疑につながっています。 厚労省は、オンライン資格確認義務化の年末再検

【国会審議】保険証廃止、オンライン資格確認質問続く(10月27日厚労委審議)

10月27日の参議院厚生労働委員会では、前日の衆議院委員会と同様、保険証廃止・オンライン資格確認義務化をめぐり質問が相次ぎました。各協会・医会からの議員要請が国会での質疑につながっています。保険証廃止に質問が集中する中、

【国会審議】オンライン資格確認関連質問相次ぐ(10月26日厚労委)

オンライン資格確認関連質問相次ぐ 10月26日厚労委審議 河野太郎デジタル大臣の「保険証廃止」会見の余波も冷めきらない中、翌26日の衆議院・厚生労働委員会では、予算委員会などに続き、保険証廃止・オンライン資格確認義務化を

オン資義務化 保険証廃止 協会・保団連にマスコミ注目

オン資義務化 保険証廃止 協会・保団連にマスコミ注目  河野太郎デジタル大臣の「保険証廃止」表明を受け、患者・国民、医療現場の混乱と怒りが噴出している。協会・医会、保団連の調査等にマスコミ各社も注目し、役員のコメント等を

保険証廃止、オン資義務化 患者・医療機関を置き去り

怒り・困惑広がる  オンライン資格確認の原則義務化や保険証廃止の方針に対し、医療現場から怒りや不安の声が広がっている。患者・医療機関を置き去りにした「義務化」に反対する会員の声を紹介する。 現実味ない保険証廃止 大阪協会

保険証廃止は撤回を 国民・医療現場の怒り、困惑が噴出

 河野太郎デジタル大臣が10月13日に「2024年度秋に保険証廃止を目指す」と表明したことを受け、患者・国民、医療現場の怒りや困惑が噴出し、廃止撤回を求める世論が急速に広がっている。保団連は翌日の声明で、保険証廃止の政府

オン資義務化撤回などを求め、11・17国会行動を実施

保団連は11月17日、国会行動を実施し、21協会・医会、保団連から102人が参加しました。オンライン資格確認導入義務化の撤回、75歳以上の窓口負担2割化の中止・凍結の2点を中心に、国会議員に要請を行いました。

住江会長は、岸田政権の支持率は低下し、政権の実態が暴き出されている。『医療機関でのオンライン資格(オン資)確認導入義務化』のような重大な問題を閣議決定で行うことは立法府の侮辱そのものだ。現場の窮状や怒りを伝え、撤回に向けて頑張ろう」と参加者を鼓舞しました。続いて各役員が、「保険証廃止は国民皆保険制度の危機だ。オン資の問題に正面から立ち向かっているのは保団連だけだ。12月に向け、大いに運動を広げよう」(宇佐美宏副会長)、「一大臣の発言で保険証廃止を打ち出すなどあって良いのか。マイナンバーカードを取得できない人には『特別な手立て』を行うとしているが、それならば今の保険証で問題はない。あらゆる手立てで反対しよう」(武村義人副会長)、「マイナンバーカードを保険証として利用することの危険性を知らせていく必要がある。命がけで頑張ろう」(森元主税副会長)、「個人情報保護の取り扱いなどが確立していない状況でオン資を行うべきではない」(杉山正隆理事)と発言しました。

午後からは、マイナンバー制度反対連絡会などとの共催で「保険証廃止反対!オンライン資格確認・マイナンバーカード強制反対!」緊急院内集会を開催し、オンラインも含め約400人が参加しました(詳細は、次号以降に掲載)。

 

計1万筆の会員署名を提出 厚労省要請

同日の厚労省要請では、15協会より寄せられたオンライン資格確認義務化・保険証廃止の撤回を求める会員署名を2,009筆提出しました。累計で、43協会・医会で9,748筆の提出となります。

要請には、保団連より住江憲勇会長、宇佐美宏、武村義人、森元主税各副会長、杉山正隆理事ら16名(9協会)が出席し、厚労省からは、古谷亜紀子保険局医療介護連携政策課保険データ企画室長補佐、平井就弘保険局医療課企画調整専門官が応対しました。要請を仲介いただいた吉田統彦衆議院議員(立憲・愛知1区/医師)も同席しました。

会員調査結果に基づきオンライン資格確認の運用を開始、導入を準備中、導入しない医療機関が抱える問題に分けて厚労省に対応を質し、オン資導入の原則義務化は撤回するよう求めました。

カードリーダーが起動しないなどの不具合も発生する中、厚労省担当者は「トラブル事例には個々に対応している」、「ベンダーへの見積時の説明などの指導は強めている」などと釈明しました。年末に向けて、医療機関の「責め」の有無に関わりなく除外・猶予を検討していくことは認めたものの、具体的な指針はほとんど明らかにしませんでした。年末までに医療機関でのリーダー申請や契約数の引き上げを図る構えです。

 

国会無視の審議は認められない 住江会長

2023年4月以降、医療機関にマイナンバーカードを保険証として利用するオンライン資格確認のシステム整備を原則義務化することが示されています(※紙レセプト請求は義務化を除外。オンライン請求・電子媒体請求で義務化、ただし年末に中医協で再検討して最終決定)。

住江会長は、「オンライン資格確認の導入は医療機関に大きな負担と義務を課すが、国会で何ら審議を経ないまま、閣議決定(骨太の方針)で定め、次いで省令(療養担当規則)で措置したことは憲法41条(国会は国権の最高機関)に反するものだ。中医協では、数か所の医療機関に導入のメリットなどをヒアリングしただけで答申しており、適正手続きを定めた憲法31条に抵触する」として審議のやり直しが必要と指摘しました。住江会長は「義務化をめぐり、現場で不安と混乱が巻き起こっている。一人の閉院・廃業も出さないように厚労省には責任ある対応を求めたい」と主張しました。

 

カードリーダー起動しないは論外 保団連  

現在実施中の保団連調査(N=4747、11月17日速報)では、システム導入した医療機関では4割でトラブルが発生しています。具体的には「被保険者情報が正確に反映されない(有効な保険証でも『無効』と表示された)」が6割、「カードリーダーの不具合」が4割など報告されています。古谷課長補佐は、「支払基金に個々の事案ごとに適宜集約し、保険者のシステム登録などに対応している。カードリーダーの不具合も支払基金やベンダーで早急に対応している」としました。

現在、支払基金が医療機関に交付しているパナソニックや富士通のカードリーダーがWindows Updateにより起動しない事故が発生しています。43,000台以上が医療機関等に配置(交付含め)されており、保団連は「重大な事態だ」と指摘しました。相談先となるコールセンターには電話がほとんどつながらず、基金が推奨するチャットボット(AI質問応答)では「健康保険証で資格確認する」ことを求めています。保団連より「今は健康保険証があるから現場でどうにか対応できている」と指摘。古谷課長補佐は「マイナカードが手元にない人への対応は考えていく」と政府方針を繰り返しました。住江会長は「今の健康保険証をそのまま交付していけば済む話だ」としました。

また、支払基金の回答(チャットボット)では初回で健康保険証も持参しておらず、診療時間内で復旧しない場合、「一部負担割合で徴収した後、事後にオンライン資格確認を行う」よう求めています。保団連は、「自費診療と判明したら7割負担を追加徴収しろと言われても患者とトラブルになる」と指摘。武村副会長は「本来、緻密な制度を設計して進めることが当然必要にも関わらず、重大トラブルの発生だ。4月に間に合わないのも明らか」として義務化撤回を強く求めました。吉田議員からも「カードリーダーの破損・故障は、適正な診療提供の支障となる問題」として厚労省に迅速な対応を求めました。

 

ベンダーを強く指導すべき 保団連

保団連調査では、システム導入を準備中の医療機関では「23年3月末までに導入できるか不明」との回答が5割近くに及んでいます。保団連より、「残り半年足らずで義務化を強いた上、3月末の事業完了期限に間に合わないと補助金が申請できなくなるのか」と指摘。古谷課長補佐は、「『医療機関に非がない場合』は補助金の期限延長(義務化期限も同様)を検討している」としました。

また、保団連調査では、4割の医療機関で導入コスト(見積り中含め)が補助金を上回ったと回答しています。保団連より、義務化の期限を脅し文句に診療所に補助金上限を超えた見積りを一方的に送りつけて、契約を迫っている事例があると指摘。「税金(補助金)を投入している以上、厚労省は見積り是正に向けてシステムベンダーを強力に指導すべき」と求めました。古谷課長補佐は、「11月上旬にシステム業者を集めて、医療機関に制度設計の範囲(義務・任意など)など含め丁寧に内容を説明するよう求めた」と述べました。先立って、吉田議員が、補助金超過の見積りが多い状況から、ベンダーを強く指導するよう国会質問しており、一定の改善が図られた格好です。

埼玉協会の渡部義弘副理事長からは、「35人の診療待ちの時に、コールセンターよりカードリーダー申込を勧誘する電話が来るなど迷惑だ」と指摘。宇佐美副会長も「勧誘と言うよりも脅迫に近い。強引に『進めさせている』のが実態」と厳しく批判しました。神奈川協会は「厚労省は社保審で、支払基金やコールセンターから勧誘を強化し、システム事業者から営業を強化していく方針を示している」と指摘し、厚労省の政策姿勢を問題視しました。

ベンダーの野放図な営業合戦、トラブル事案の非公開、つながらないコールセンターなど厚労省の医療現場を無視した強引な推進、不誠実な対応が医療現場に不安と混乱をもたらしています。

 

「電子媒体請求」でも対応できない 保団連 

保団連調査では、導入しない/できないと回答した医療機関は14%に及び、内訳では50代以上では3割前後と高く、特に「電子媒体請求」している者が多くなっています。神奈川協会は「光ディスク請求者はICTスキルに乏しい。診療所では対応できる職員を配置できず、院長自身の対応も困難」と指摘。森元副会長、杉山理事は、特に歯科では電子媒体請求者が7割近くを占める中、スタッフが少なく、院長自身がレセプト請求などの事務を担っている状況を説明し、少なくとも「電子媒体請求者は例外にすべき」と求めました。古谷課長補佐は、24年4月よりオン資が可能となる訪問診療については経過措置を検討しているとしたものの、「外来/在宅の割合で異なる」として具体的な明言は避けました。年末まで除外・経過措置などの詳細を明らかにせず、カードリーダー申請率やベンダー契約数を引き上げる構えです。

 

「悩んで睡眠不足。診療を続けさせてほしい」(診療所からの手紙)

導入しないケースに関わって、保団連から、保団連に郵送されたある医科診療所(オンライン請求で義務化対象)の先生からの直筆の手紙(後掲参照)を紹介。「オンライン請求者でICTスキルがある場合でも、医療情報の安全な管理に配慮してオン資を導入していないケースもあることへの理解も必要だ」と指摘。愛知協会の荻野高敏理事長からは、「協会の会員調査(N=546)では、1割強が義務化されると廃業せざるを得ないと回答している。そのうち60歳代以上が9割を占め、約半数がオンライン請求をしている」と報告しました。

 

医療機関の『責め」は一事例 厚労省

広島協会からは、「人口2.2万人の自治体で35%が65歳以上。主な公共交通機関はバスのみの地域で、在宅医療を一手に担ってきた医師から『オン資は必要性を感じない。コスト増となればこのまま続けていくことは無理』。無医地区の島に赴任した医師は『高齢者ばかりでマイナンバーカードが使える患者などいない』と話している」と地方の現状を報告。「『医療機関に非がない』ケースだから除外・経過措置を手当てするなどという理由は非現実的で身勝手な理屈だ。中山間地や島嶼部を多く抱える地方の医療実態を無視した義務化自体を中止すべき」と求めました。

保団連からも「中医協答申の附帯意見では、『地域医療に支障が生じる等、やむを得ない場合』としており、『医療機関の責め(非)の有無に限定していない』と確認。古谷課長補佐は「医療機関の責めに帰さない事由はあくまで一事例」と認めるとともに、平井専門官は「様々な要素を見た上

で総合的に判断していく」としました。

 

明らかな除外対象は早急にアナウンスを

高齢医師や地域で中心的な在宅医療を担う機関などは明らかに除外・猶予すべき対象です。埼玉、千葉協会からも「23年4月に9割超で整備と言うが、ベンダー対応を見ても土台無理なことは明らかだ。(高齢医師や地域で在宅医療を担うなど)少なくとも明らかに除外・猶予となるような医療機関に対しては早めにアナウンスを出すべきだ。カードリーダーを申請させておいて、後から『除外になりました』は不誠実極まりない」と指摘しました。

閉会に際して、宇佐美副会長は、「オン資・保険証廃止などは国民皆保険制度から医療機関や患者を排除していく方向の議論となっている。対応が困難な診療現場に近い保険医協会が調べた実態や声を中医協でも参考に議論しつつ、パブコメやヒアリングなども実施して、医療現場の実態を丁寧に反映した議論が必要だ」と改めて求めました。

義務化の撤回、長期の経過措置や幅広の除外措置を設けるなど義務化の形骸化をさせていくことは、保険証廃止の目論見を大きく狂わせていくことにもつながっていきます。保険証で安心して受診できる国民皆保険制度を守るため、保団連では議員、国、中医協委員への要請を一層強めていきます。

<保団連に寄せられた医科診療所(義務化対象)の声 (手紙要旨抜粋)

「オン資の知らせで『導入しない診療を続けられなくなると突然言われたこと』ばかりが毎日起床から寝るまで、頭にあり、悩んで睡眠不足でつらいです。このシステムの義務化に納得することができず、苦しんでいます。政府が、旧統一協会を守っている姿を見ると、オン資を導入しないだけで、日々地域医療に真面目に取り組んでいる医療機関を『指導』の対象とし、従わない所には指定取消とまで簡単に決めた政府はひどすぎると思います。医療機関には憲法で保障される意思決定の自由はないというのでしょうか。

中医協では現場を知らない空論で、『他院での治療歴、服薬歴や健診結果が何もない状況で暗闇に近いところで医療を行わざるを得ないような状況もあった。オンライン資格確認で状況が劇的に改善するのは大変重要』など信じられない発言です。当院では、紙カルテですが、人間ドッグ、健診結果を持参するよう話し、コピーしてカルテに貼り、きちんと医療情報を管理しています。普及しないのは、医療現場が必要としていないからなのに、数人の会議で義務化を決定するのはおかしいです。…(中略)…先行事例のない実験的システムを不具合も起きているのに、療養担当用規則に載せること自体到底認められません。……オン資の不具合があった場合、検証するのは、総務省、デジタル庁、厚労省、支払基金なのか、回線業者なのか、責任が分散していて、連携もとれていなさそうな所も不安です。

半田病院では、ベンダーが複数いて連携が取れておらず、アップデートすると電子カルテに不具合が起こるため、アップデートされていなかったため、ランサムウェアに感染しました。一番サイバー攻撃の多いWindowsはセキュリティ管理が他の機器との関係もあり大変です。……今すべきことはデジタル化ではなく、サイバー攻撃に備えて今あるシステムのセキュリティを万全にすることが必要です。オン資を原則義務化としながら、トラブルが起きても、厚労省の責任はゼロで、救済措置もなく、全て医療機関の自己責任になるのは不当契約です。

以上のようなことを毎日考えていて疲れています。保険医協会、保団連の皆様、医療現場の困っている現状を訴えて下さり、ありがとうございます。導入しなくても診療が続けられますよう働きかけをよろしくお願いいたします。」

 

 

厚労省の水谷課長に要請する住江会長(右)高本副会長(中)10月20日

保団連と大阪協会は、10月20日に厚労省要請を実施。厚労省の水谷忠由保険局医療介護連携政策課長、平井就弘保険局医療課企画調整専門官が応対しました。河野太郎デジタル大臣会見(10月13日)の「24年秋に保険証廃止」に異論が噴出する中、幹部職(課長以上)が対応する状況に変わってきています。

厚労省担当者は、中医協答申書に沿って「年末に、義務化の対象となる電子請求している医療機関のうち『やむを得ない対応』をとる場合について検討する」とした上で、大臣会見に沿って、「2024年秋の保険証廃止を目指して」、全ての医療機関でのオンライン資格確認の環境整備を進めていくとの見通しを示しました。紙レセプト請求する医療機関は23年4月時点では義務化より除外する扱いに変更はない点が明確化されました。

省令操作で義務化は論外 住江会長

河野大臣会見の反響も冷めやらぬ中、厚労省要請では、療養担当規則改正による義務付けという威圧的な政策手法について批判するとともに、今後の中医協での審議の見通しや保険証廃止の運用などについて、厚労省に真意を質しました。

9月5日に療養担当規則を改正する省令が示され、2023年4月以降医療機関にマイナンバーカードによるオンライン資格確認整備を原則義務化することが示された(紙レセプト請求している場合は義務化を除外)ことについて、住江会長は、「オンライン資格確認の導入は医療機関に大きな負担を課すものであり、省令委任ではなく国会で審議すべきレベルの案件だ」と強調し、「厚労省が省令(療養担当規則)改正で進めていることは、権利の制約は国会で審議を経た法律により適正に実施すべきとする憲法で保障した適正手続きを著しく逸脱するもの」と指摘しました。水谷課長は、療担改正について、閣議決定された「骨太の方針2022」に拠って、「中医協で審議し答申を経て省令を告示している」として手続き上瑕疵はないとの姿勢に終始するとともに、省令改正による手法についても「健康保険法では、保険医療機関が遵守すべき内容は省令(療養担当規則)に委任している」と強弁しました。法律家の間からはオンライン資格確認は健保法の制定時には想定しなかった方法であり、整備義務化は健保法が委任する範囲を超えていると問題視する声も出ています。療担改正で医療機関を脅して国の政策に強引に従わせようとすることは到底許されるものではありません。

 カードなし患者対応は今後検討 水谷課長

保険証廃止をめぐり、住江会長は「カード取得は任意とするマイナンバー法の規定に抵触し、プライバシー権など人権を侵害するもの」と批判しました。水谷課長は、加藤厚労大臣の会見(10月13日)によりつつ、マイナンバーカードを取得していない・取得していても持参しない場合など「カードが手元にない人も保険診療を受けられるよう手続きを検討する」としました。保団連より、「手続きに基づき被保険者に交付する券面は現在利用する『健康保険証』ということもあり得るのか」との質問に対して、水谷課長は「具体的な媒体のあり方も含めて今後検討する」として、具体策づくりはこれからとの姿勢を示しました。マイナンバーカードを持たない・管理できない患者の受診保障は後回しに、健康保険証廃止に向けて前のめりに進もうとする無責任な政府の姿勢が改めて浮き彫りになりました。

現場目線欠ける医療DX 高本副理事長

高本副理事長は、大阪協会が取り組んだアンケート調査結果(10月19日集計分まで)について報告。「オンライン資格確認導入の23年3月原則義務化に続いて、24年秋の保険証廃止の発言が続き、現場はハチの巣をつついた状態」と指摘し、厚労省に猛省を求めました。高本副理事長は、「運用開始した医療機関からは、『有効な資格なのに無効と判定された』などデータ更新遅れの報告が少なくない」と述べ、「そもそもオンライン資格確認になっていない」と疑問視しました。また、「現場では、認知症の方などには診療予約日の直前に確認の電話を入れるなどきめ細かい対応をしている。保険証に変えてマイナンバーカードを求めれば患者が混乱しかねない」と危惧を示し、マイナンバーカード利用を進める「医療DX」ありきの上から目線ではなく、「地域の医療現場の困難・目線により添った施策こそ求められている」と指摘しました。神奈川協会、愛知協会の調査と同様に、大阪協会の調査結果でも、「義務化なら閉院をせざるを得ない」との回答が全体の1割近く見られます。「医療DX」と称して、地域医療の疲弊を推し進める本末転倒な結果となっています。

24年4月は紙レセ義務化除外 水谷課長

河野大臣の会見にあるように、24年秋に保険証を廃止する場合、紙レセプト請求も含め全ての医療機関がオンライン資格確認を整備していることが必要となってきます。保団連より、「紙レセプト請求の医療機関は23年4月以降の義務化からは除外した上で、義務化される医療機関(オンライン請求、光ディスク請求)の中から経過措置など『やむを得ない対応』を検討していく」とする検討手順は、河野大臣の会見によって変更されるのかと質問。水谷課長は「23年4月に紙レセプトの医療機関が義務化から除外される答申内容に変更はない」とした上で、「23年4月以降は大臣の会見内容に沿って、24年秋の保険証廃止を目指して、紙レセプト請求の医療機関も含めオンライン資格確認整備を進めていく」と整理説明しました。あくまで、マイナンバーカード普及に向けて全ての医療機関を総動員する構えです。

紙レセ向け簡易な仕組み開発へ 水谷課長 

水谷課長は、紙レセプトの医療機関の体制整備に関わって、「柔整、あんま・はり・きゅうなどで想定するものと同様に、使いやすい簡易な仕組みを開発していく」と述べました。具体的内容は今後検討するが、現時点では「医療情報閲覧機能を省き、資格確認のみを実装した機器を考えている」との認識を示しました。水谷課長の“療担違反”発言(合同説明会、8月24日)(※)を受けて、やむなく自院持ち出しで高額な機器を購入した医療機関にとっては後出しじゃんけんと言わざるを得ません。(※注意:厚労省によれば、23年4月時点で未整備による療担違反での保険医等指定取消はありません)

中医協における年末の再検討において、長期の経過措置や幅広の除外措置を設けるなど義務化を形骸化させて地域の医療機関を守ることが、保険証廃止の目論見・工程を大きく狂わせ阻止していくことにもつながっていきます。患者が保険証で安心して受診できる国民皆保険制度を守るため、保団連では議員要請を一層強めるとともに、患者・国民を巻き込んだ運動を進めていきます。

厚労省要請 中医協で経過措置を検討

即時の指定取り消しは否定

厚労省に要請

 全国保険医団体連合会(保団連)の住江憲勇会長らは9月22日、厚労省に来年4月からのオンライン資格確認のシステム導入義務化の撤回を要請した。全ての対象医療機関が期限までにシステム導入することは現実的に困難である中、厚労省の担当者は療養担当規則違反になった場合にも「即時の指定取り消しにはならない」と明言した。経過措置も中医協で検討される。現場の切実な声を伝えていくことが重要だ。

要請の冒頭に、各協会のアンケート結果を紹介した。オンライン資格確認の運用を開始した診療所が2割しかないこと、小規模・高齢、閉院予定、回線整備費用が高額など対応できないさまざまな事情がある現状、現在の診療スタイルで十分、レセプト枚数が少ないなど「導入する必要性を感じていない」医療機関が多いことなどを指摘。システム導入義務化撤回を求める要請書と会員署名5089筆を提出した。

療担規則の修正も

8月10日の中医協答申の附帯意見では、「(導入義務化によって)地域医療に支障を生じる等」の場合に、必要な対応を検討するとしている。具体的な内容について厚労省は、「医療機関が閉院、廃業することは避けたい」との考えを示した上で、年末までの導入状況を点検し、「無期限も含む経過措置」が中医協を経て検討されるとの認識を示した。療養担当規則修正の可能性は、「今後の中医協の議論次第であり得る」と述べた。
来年4月までにすべての対象医療機関がシステム導入することは現実的に困難だ。導入が間に合わないなど、療担規則違反の状態となった場合に指定取り消しが懸念される点について厚労省は、「即時の指定取り消しとはならない」と明言した。

広く実態調査が 不可欠

療担規則に義務化が定められたことは、地域医療、保険医療機関の継続に影響する重要事項である。附帯意見で示す「必要な対応についての検討」にあたっては、、実態調査が不可欠であり、パブリックコメントの募集や、関係団体等へのヒアリング、公聴会の開催などは必須だ。厚労省は、地域医療の影響について「重要事項」とし、十分な実態調査を行う予定としたが、調査範囲は、「建物の構造上の問題」など一部に限定した内容にとどまった。医療機関の負担の現状を明らかにするため、広く意見聴取、実態調査を行うことが重要だ。
保団連は、義務化撤回に向け、医療現場の実態を伝え、取り組みを強めていく。

医師・歯科医師 8700 人の声
保険証廃止、オンライン資格確認義務化に関する調査
保険証廃止に反対が 65%、4 割でトラブル発生、9 割がシステムの必要性ない

全国保険医団体連合会

政府は、医療機関等に 2023 年 3 月末までのオンライン資格確認の原則義務化を求めるだけではなく、2024 年秋に保険証廃止を目指す方針を表明し、医療現場や患者から不安と懸念、怒りが広がっています。全国保険医団体連合会は、オンライン資格確認義務化、保険証廃止に対する医療現場の実態・意識調査を実施しています。これまで寄せられた回答速報値を報告します。
調査期間:2022 年 10 月 14 月-11 月 16 日 ※調査は 11 月 20 日まで継続
調査方法:保団連メールマガジン登録会員、各都道府県の保険医協会・保険医会会員
がウェブフォーム又はファックスで回答。
回答数:8707 件(医科診療所 5186 件、歯科診療所 2668 件、病院 449 件、N/A390 件)

結果概要:

Ⅰ.政府の保険証廃止方針について

保険証廃止に反対が 65%、
〇政府の 24 年秋保険証廃止について 65%が反対、どちらでもないが 23%、賛成がわずか8%となった。
〇保険証廃止による医療現場や患者の影響について、82%が「マイナンバーカード利用に不慣れな患者への窓口応対の増加」、75%が「マイナンバーカードの携帯・持参が困難な患者(単身高齢者等)への対応」、74%が「システム不具合時に診療継続が困難となる」と回答した。
〇医師・歯科医師から 3079 件の自由意見が寄せられており、その多くが保険証廃止による医療現場や患者に混乱と困難をもたらすとの懸念の声である。

Ⅱ.オンライン資格確認義務化について

〇オンライン資格確認システムの「運用開始」が 24%、「準備中」が 55%、「導入しない・できない」が 15%となった。

1.システムの運用を開始した医療機関の実態

運用開始の4割で不具合・トラブル
「有効な保険証が無効となるが6割」、「カードリーダーの不具合が4割」

(結果概要)
システムの運用を開始した医療機関の実態は、83%が「利用する患者数がほとんどいない」と回答。運用開始の 41%でトラブル・不具合が発生。トラブル・不具合の具体的な内容は、「有効な保険証が無効と表示された」が 62%、「カードリーダーの不具合(41%)」となった。

(解説)
※トラブル・不具合が生じた場合、現状では、保険証で資格確認し、保険診療を実施しています。しかし、保険証が廃止され、被保険者情報が券面に記載されないマイナ保険証に一本化されれば、トラブル・不具合を防ぐことは困難となり、事実上、保険診療が実施できなくなります。
※支払基金が医療機関に交付しているパナソニックや富士通のカードリーダーが Windows Update 更新により機動しない事故が発生しています。43,000 台以上が医療機関等に配置(交付含め)しています。

2.導入を準備中の医療機関の実態
必要性ないが義務化で導入が 9 割
システム費用は半数超で補助金を超過
23 年3月末期限間に合うか不明が 48%

厚労省は規則を改正し、2023 年 3 月末までにシステムの運用開始を義務付けています。従わないと保険医の取り消しもあり得る措置です。
(結果概要)
〇システム準備中の医療機関に、導入する理由を尋ねたが、91%が「システムの必要性を感じてないが療養担当規則で義務化されたから」と回答した。また、23 年 3 月末期限に導入できるかとの問いに対して、導入できるか不明が 48%となった。
〇システム費用について、45%が「補助金の範囲内」、54%が「補助金を上回った」と回答。半数を超える医療機関でシステム導入経費が補助金額を上回り持ち出している。
(解説)
※医療現場で必要性が不確かなシステムを、厚労省は義務化した。半数超が補助金を超過する支出を求められており、いやいや導入させられているのが実態です。

3.導入しない・できない医療機関の実態

情報漏洩、セキュリティ対策が不安 63%
レセコン、電子カルテの改修で多額の費用が発生する 61%
対応できるスタッフがいない、少ない 50%
高齢で数年後に閉院 45%

(結果概要)
〇導入しない・できないと回答した医療機関にその理由を尋ねたところ、「情報漏洩、セキュリティ対策が不安」が 63%、「レセコン、電子カルテの改修で多額の費用が発生する」が61%、「対応できるスタッフがいない、少ない」が 50%、「高齢で数年後に閉院予定」が 45%となった。
(解説)
※本会を構成する保険医協会の複数の調査でも、自院が義務化された場合、高齢世代を中心に医師・歯科医師の1割が閉院・廃院を検討しています。システム導入の義務化で地域医療が損なわれることはあってはなりません。医療機関のカルテを人質に取ったランサムウェア被害が相次いでいます。セキュリティ対策への不安から導入しないと回答する医療機関も多くいます。特に歯科医療機関などオンライン化していない医療機関の負担感は比較的高くなっています。

Ⅲ.保団連の要望

保団連は、オンライン資格確認義務化撤回と診療継続に向け実効性ある措置として以下を求めています。
〇2024 年秋の保険証廃止方針は撤回すること
〇2023 年4月よりのオンライン資格確認導入の原則義務化は撤回すること
〇全ての医療機関を対象に経過措置を設けること
〇少なくとも 2023 年4月以降も全ての医療機関が医療提供を継続できるよう大幅な経過措置・幅広の除外措置を設けるなど抜本的に見直すこと。
〇少なくとも運用トラブル・不具合が解消されるまで2023年4月実施の義務化は延期すること
〇実態調査、公聴会、ヒアリング、パブコメを開催すること

マイナンバーカードの保険証利用(オンライン資格確認)とは

マイナンバーカードの保険証利用(オンライン資格確認)は「義務」ではなく「任意」です。医療機関等でのシステム導入の原則義務化方針は、医療現場での無用なトラブルや事務負担増が懸念されます。

将来的な保険証方針も無理筋で非現実的と言わざるを得ません。

設置は任意です

厚労省、支払基金が医療機関向けの案内サイトなどで示すように、医療機関においてオンライン資格確認システムを導入する義務はありません。あくまでシステム導入は医療機関の任意です。システムを導入しなくても、医療機関に不利益や罰則はありません。

慎重に検討を

設置の期限は2023年3月末、あわてなくても大丈夫です。
医療機関でのマイナンバーカード取り扱いの留意点、注意事項などは、現時点で示されていません。来年3月のマイナンバーカードの保険証利用開始後の状況をみて、カードリーダーの設置を検討しても遅くありません。
支払基金からリーダーを受け取ったり、補助を受けた後、医療機関がマイナンバーカードで受診できる体制を整備しない場合、リーダー費用相当額や補助金の返還(最大全額)を求める場合があるとしており、申し込み・申請には注意が必要です。

新たな窓口対応

カードリーダーで顔認証がうまくできない場合は、カード発行時に登録した4桁の暗証番号を打ち込む、または職員によるカードの顔写真との目視での確認が必要です。
患者さんの中には、電子機器の使用に慣れていない方もたくさんいます。職員が使用の補佐をするためにマイナンバーカードを手に取るなどの対応が求められます。番号の漏洩(どこで漏れたか不明の場合の疑いも含む)、カードの紛失等の危険が想定されます。来年5月からは、保険証番号での「オンライン資格確認」が開始されます。個人情報の詰まったマイナンバーカードを医療機関で取り扱う必要はなくなります。
マイナンバーカードの取り扱いは避けるべきです。

高額な維持費

オンライン資格確認システムを導入する場合、カメラ内蔵カードリーダーの本体は支払基金から無償で提供されます。リーダーに接続する専用端末(PC)、オンライン請求回線の導入・整備やレセコン・電子カルテ改修等にかかる費用(43万円程度)については、診療所に対して最大32万円まで補助されますが、フル装備の場合、10万円程度は医療機関の負担となります。
カメラ内蔵カードリーダーを導入せず、オンライン請求のみ開始する場合の導入経費については補助対象外です。また、導入後のセキュリティ対策や故障対応などシステム維持に伴う費用も補助対象外となります。

管理責任

マイナンバーカードでの受診は、医療機関内におけるカードの紛失・盗難騒ぎ、番号漏洩のトラブルのリスクが格段に高まります。機器操作に不慣れな方への職員の手助けなど職員の多忙化にも拍車をかけます。リーダー申し込み、補助金申請については慎重に検討いただくようおすすめします。

関連資料・リンク

ポスター紹介

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参考リンク

当会以外で発表されている資料・リンクなどを紹介します。