社会保障の充実へ 第1回代議員会を開催

社会保障の充実へ 政治の地殻変動を

第1回代議員会を開催

 全国保険医団体連合会(保団連)は、6月26日、第1回代議員会を開催。全協会・医会から113人の代議員がウェブも含めて参加し、議論を交わした。代議員からは、75歳以上の窓口負担2割化の中止や防衛費増額の阻止に向けて、2週間後に迫った参院選の重要性を強調する発言が相次いだ。会務報告などの議事を賛成多数で採択し、代議員会決議を承認した。(3面に代議員会決議全文、討論の詳報は後日掲載)

開会あいさつする住江会長

冒頭あいさつで住江憲勇会長は、2年半のコロナ禍を振り返り、患者が受診すらできずに自宅で死亡するケースが相次ぐなど、日本の社会保障の脆弱さが明らかになったと述べ、背景には40年来の新自由主義政策があると指摘。岸田政権もその本質は変わっていないと批判した。さらに骨太の方針2022では、5年以内の防衛費倍増が想定されており、これにより社会保障の破壊が進むと懸念を表明。新自由主義が国民生活にもたらしている困難を共有し、たたかうことが政治を変える原動力になると訴えた。
宇佐美宏副会長は会務報告の提案で、参院選で医療・社会保障充実の政治を実現するために、保険医、患者、国民の要求を受け止める議員を増やす必要があると強調。仏の下院選挙で、新自由主義政策を進めるマクロン大統領に対抗して結成された左派政党の連合が、医療従事者の増員などを掲げて議席を倍増させた結果にも触れ、こうした地殻変動ともいうべき動きを日本でも起こそうと呼び掛けた。

参院選に向けた世論づくり重要

代議員からは、10月から実施が予定される75歳以上の窓口負担2割化に関し「参院選を前に国民に広く危険性を訴え、高齢者の医療を守るという世論づくりが大切」、「(参院選は)実施を止める最大のチャンス」、「参院選を要求実現の最大の機会ととらえ、75歳以上の窓口負担2割化の中止、新自由主義からの真の脱却を国民的世論に押し上げるべく、残された数少ない時間、最後まで奮闘を各協会に呼び掛けたい」などの発言があった。
また、岸田首相が9条改憲と防衛費の倍増を進めようとしていることについて、「財源は、社会保障のさらなる削減、消費税の増税、赤字国債の発行が考えられる」「国民に負担を押し付ける、改憲議論による軍備強化は許されない」と指摘し、参院選で改憲勢力を減らすことが必要との発言も出された。
この他、マイナンバーカードの保険証利用、歯科医療費総枠拡大、診療報酬の不合理是正、金パラ「逆ザヤ」問題、コロナ対策などについて議論が交わされた。
代議員会で採択、承認された議事は以下の通り。代議員会議長・副議長の選出/会務報告/2021年度決算及び監査報告/代議員会決議