新設点数に疑問の声多数 22年診療報酬改定 大阪協会アンケート

 大阪協会は、5月に2022年診療報酬改定に関する会員アンケートを実施。外来感染対策向上加算の要件の厳しさや、リフィル処方への疑問の声が多く寄せられた。内容を紹介する。

6割以上が算定せず 外来感染対策向上加算

 

「外来感染対策向上加算」の算定状況については、「算定しない」が65%(389件)と最も多くなった。「算定している」「算定予定」は合わせても26%にとどまった(図)。
算定しない理由としては78%が「要件が厳しい」をあげ、他に「点数が不十分」17

%、「新興感染症への対応が困難」15%などがあった(複数回答)。
「算定している」場合の動機は、「地域の感染対策への貢献」が約50%と最も多かった。施設基準として定められている連携先は「感染対策向上加算1を届け出た地元病院」が最も多く54%、次いで「医師会」が40%となった(複数回答)。
自由意見欄には「手続きが煩雑であった。診療・検査医療機関であれば無条件で算定できるようにするべき」「届出の手間の割には、あまりにも低い点数」などの声が寄せられた。

 

「発行しない」8割超 リフィル処方箋

今次改定で初めて導入されたリフィル処方箋については「発行していない」が83%(493件)となった。
患者からのリフィル処方を希望する申し出等は、「今のところなし」という回答が80%(477件)と最も多くなった。「あった」という回答は17%(103件)にとどまった。
自由意見欄には「リフィル処方は、実質無診察投薬であり病態変化に対応できない。健康管理上問題である」「責任が持てない」などの声が寄せられた。無診察投薬を禁止する原則とリフィル処方の矛盾を指摘する意見もあった。
協会が4月に実施したリフィル処方に関する会員調査でも、9割以上が導入に反対していた。

 

「評価する」はわずか 電子的保健医療情報活用加算

オンライン資格確認システムについては、「導入はしない」が38%(228件)と最も多くなった。現時点で「導入済」は15%(89件)にとどまった。
オンライン資格確認システムを用いて患者の情報を取得し、その情報を活用して診療を行った際に算定が可能な電子的保健医療情報活用加算の評価は、「どちらともいえない」が57%(339件)で、「評価しない」が32%(189件)となった。「評価する」との回答は8%(49件)とわずかであり、導入済の医療機関に限っても、28%(25件)にとどまった。
自由意見欄には、導入状況にかかわらず「普及のために患者負担が増えるのには反対」「オンライン資格確認の利便性とコストのバランスに疑問」などの声が寄せられた。
大阪協会はこの調査結果を基に、6月2日に厚労省に▽全ての医療機関の感染対策を評価し、初再診料を抜本的に引き上げ、外来感染対策向上加算の施設基準は見直すこと▽リフィル処方の中止・撤回▽オンライン資格確認導入の原則義務化方針案の撤回―等を要請した。
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※アンケートは5月10日から21日にかけて、会員医療機関約4300件を対象に実施し、597件の回答があった。