介護負担増反対で要請
来年の通常国会に向け、介護保険の利用者負担増が厚労省の審議会で議論されている。保団連は11月14日、岸田文雄首相などに要請書を提出し、負担増をやめるよう求めた。
政府は、2024年の介護保険制度改定に向けて厚労省の社会保障審議会・介護保険部会で議論を進めている。年末には「介護保険制度の見直しに関する意見」のとりまとめ(答申)を行い、23年1月から始まる通常国会に法案を提出する予定だ。
検討されている見直し項目は、介護保険サービス利用料の2~3割負担の対象拡大やサービスの一部を市区町村による総合事業に移行させるなど、介護保険を後退させ、国民に大幅な負担増を強要するものだ。
実施されれば高齢者と支える人の生活が厳しくなり、医療の受診抑制にもつながりかねない。
こうしたことから、保団連は要請書で、現在議論されている▽介護保険サービス利用料の2~3割負担の対象拡大▽ケアプランの有料化▽老健施設などの多床室の有料化▽要介護1・2の生活援助等の市区町村による総合事業への移行▽被保険者の範囲の拡大▽介護保険料の引き上げ▽施設入所時の食事・居住費負担軽減対象である低所得者の範囲削減▽福祉用具貸与の範囲縮小―を止めるよう求めた。