「マイナ保険証」利用時に別人の情報がひも付けられていたことをマスコミ各社が一斉に報道しました。
この問題について、23年2月の厚労省の審議会(社保審医療保険部会)で資料が提出されています。
令和3年10月から令和4年11月の期間中に保険者が7312件の異なる個人番号を登録していたことが判明しております。
その内、薬剤情報・医療費通知情報が閲覧された事例は、5件と発表されています。
2年前の誤登録が原因とされていますが、表面化した件数は氷山の一角と言わざるを得ません。医療機関での資格確認方法として、現状では健康保険証による資格確認が大半です。2023年3月のマイナンバーカードの保険証利用は267万件で全体の2.3%に過ぎませんが件数としては増加傾向にあります。
また、2023年3月の薬剤情報の閲覧は124万件、診療情報の閲覧は59万件と患者さんが医療情報を閲覧する機会が増えてきているので、誤登録による医療情報の取得は実際にはもっと多いと思われます。
原因とされる、各健康保険組合など保険者による誤記載は、ヒューマンエラーと言えますのでゼロにすることは困難で、今後とも生じます。
少なくとも各保険者において誤登録が判明するまでマイナ保険証の利用は停止すべきです。
<社保審医療保険部会>
加藤大臣会見概要 |令和5年5月12日|大臣記者会見|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
記者:マイナ保険証について質問させていただきます。マイナ保険証を病院で利用したことをきっかけにマイナンバーカードに別人の情報が紐付けされていたことが発覚するという事案があることが取材でわかりました。厚労省ではこうした事案について把握されていますでしょうか。またこの事案を把握された際にはどのように対応されますでしょうか。
加藤厚労大臣:そういった事案があったことは我々も認識しております。それはマイナンバーを入力する際に本人の請求ではなくてそれを受けた形でされていたとか、入力時におけるミスがあってマイナンバーカードにそれ以外の人の情報がくっついていたというケースだと認識しておりまして、今一斉にチェックをしてまた今後はこうしたことが起こらないように入力時において十分に配慮をしてもらう、これを徹底させていただいているところであります。
記者:この事案の問題点はどういうところだとお考えでしょうか。大臣:ですから入力時において間違った形で行われていたというところが問題でありますから、そうしたことが起こらないようにまず今起きているものは是正し、それから起こらないようにこれからも注意していくということだと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001062678.pdf
※2 上記の期間中に判明した保険者から異なる個人番号が登録されていた事例数は、
・ 令和3年10月~11月末 33件
・ 令和3年12月~令和4年11月 7,279件(うち7,114件は、協会けんぽにおいて資格情報の重複調査により判明)
これらの事例は、閲覧を停止し、補正(異なる個人番号等を削除)を実施。
「マイナ保険証」利用時に別人の情報がひも付け…これまでに少なくとも5件確認 入力ミスが原因か TBS
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/482108?display=1
オンライン資格確認システムの利用状況(厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html