厚労省は、野党の部会でオンライン資格確認システムの機能の一つとしてレセプト振替・調整機能を令和3年9月から開始したことによりレセプト返戻件数が4割減少していると説明し、マイナ保険証/オンライン資格確認導入による効果をことさら強調しています。
確かに社会保険診療報酬支払基金(支払基金)の統計資料等によるとレセプト振替・分割調整サービスの開始前の令和3年4月から9月で月平均177,000件だったのが、(開始後の)令和4年11月から令和5年3月までの実績で114,000件と4割減少しています。
これは支払基金が審査事務の効率化を目的にシステムを改修し、レセプト振替・分割機能を実装したことに伴う返戻件数の減少です。
同サービスは令和3年9月から開始しており、紙媒体による保険請求を行う医療機関を除く電子媒体(オンライン、電子媒体)で保険請求を行うすべて保険医療機関・薬局で同機能の恩恵を受けられます。
つまり、9割を超える保険医療機関・薬局で既に利用が可能となります。
振替・分割調整をマイナ保険証利用やオンライン資格確認導入のメリットであるとことさら強調することはミスリードと言わざるを得ません。
【参考】
紙媒体による保険請求割合 医科2.9%、歯科7.9% 調剤0.9%
「オンライン資格確認」のレセプト振替・分割機能の導入について
厚生労働省保険局医療介護連携政策課 令和3年9月21日