マイナンバー情報総点検本部は10月6日にこれまでに8544件の誤登録が確認されたことを公表しました。保団連は、前回8月8日以降に新たな確認された誤登録(103件)のうち、別に確認された63件の誤登録が「どこで発覚したのか?」「保険者総点検とは別に確認されたのではないか」と指摘し、厚労省に情報公開と説明を求めてきました。
保険者総点検とは別に63の誤登録を確認
10月10日の大臣記者会見で武見敬三厚労大臣は、新たに確認された誤登録(63件)は①5月23日以降に確認されたものであること、②保険者の念のため登録データの確認作業を行った中で判明した③保険者の日常業務の過程で判明した―ことを報告しました。医療機関で誤登録が判明し、保険者に報告する等して確認されたものが中心です。
点検対象となった保険者の選定について、武見厚労大臣は、「厚生労働省が示している基本的な留意事項とは異なる方法で事務処理をしていなかったかを点検していただいた上で、該当する加入者情報があった場合には、住民基本台帳情報との突合、確認を行っていただいた」と説明しました。総点検とは別に誤登録が63件も報告された理由について、「事務処理手順と異なり、入力ミスなど作業者自身が気づかない誤りもあり得る」と説明しました。政府は、1313の保険者による約1570万件の総点検で誤登録が1109件確認されたことから、「既に医療保険の総点検は終了した」と説明しています。保団連は当初から、医療保険者の点検はあくまで保険者による自主点検に過ぎないこと、対象となった1313の医療保険者のうちすべての被保険者ではないことから氷山の一角に過ぎないことを指摘してきました。今回の厚労大臣の答弁は、総点検以外でも誤登録が存在すること、保険者を対象にした総点検だけでは見逃す可能性があることを自ら認めた形となります。
10月10日厚労大臣 記者会見 |厚生労働省
記者:
マイナンバー総点検について伺います。6日に第3回マイナンバー情報総点検本部が開催され、健康保険証に別人情報が誤って紐付けられた件数が8,544件となり、前回から103件増えました。このうち63件は、総点検の枠外で保険者が自主的に調査するなどして判明し報告されたケースということでしたが、どういう経緯で見つかったのかの具体的な例と、総点検の対象の決め方や方法などに問題はなかったかどうかの受け止め、そして今後の対応についてお聞かせください。
武見敬三厚労大臣
紐付け誤りの事例については、保険者による総点検の作業とは別に、これまで3回にわたって公表してきたところですが、前回、5月22日までに判明した分を公表して以降、今回、新たに63件判明したということはご指摘の通りです。この63件については、各保険者において、念のため登録データの確認作業を行った中で判明したものや、保険者の日常業務の過程で判明したものなどがあると聞いています。
保険者による総点検については、全保険者において、厚生労働省が示している基本的な留意事項とは異なる方法で事務処理をしていなかったかを点検していただいた上で、該当する加入者情報があった場合には、住民基本台帳情報との突合、確認を行っていただいたものです。この総点検の作業は、それぞれの保険者において、適切に実施されたものと考えていますが、事務処理手順と異なり、入力ミスなど作業者自身が気づかない誤りもあり得るということです。
したがって、医療情報という特性も踏まえて、保険者による総点検に加え、現在、登録済みデータ全体について住民基本台帳情報と突合してチェックを行っているところです。今後、不一致があったものについては、段階的に、保険者等やご本人において確認を行っていくこととしており、保険者による正確なデータ登録が確保されるよう、厚生労働省としてもこれにしっかりと取り組んでまいりたいと思っています。