【#保険証廃止勝手に決めるな】2024年12月2日の保険証廃止に抗議する

【声明】

健康保険証の「2024年12月2日廃止」に抗議する

国民の受療権を守るため、健康保険証の存続を

2023年12月22日

全国保険医団体連合会

会長 住江憲勇

 

政府は12月22日、現行の健康保険証を2024年12月2日で廃止することを閣議決定した。2024年12月2日以降は新規発行を停止し、「マイナ保険証」に一本化するとしている。

 

医療現場のトラブルは続いており、問題は解決していない

政府は11月末までの「総点検」をもって国民の不安払拭への「措置を取った」としているが、医療現場では「総点検」後もトラブルは続いている。全国保険医団体連合会が行っている「10月以降のマイナ保険証トラブル調査」の中間集計(回答数6000件)では、10 月 1 日以降に「資格情報の無効」「名前・住所の間違い」「負担割合の齟齬」などマイナトラブルがあったと回答した医療機関は約6割に及んでいる。いったん医療機関の窓口で10割負担となったケースは少なくとも500件を超えている。マイナ保険証では国民の医療への確実なアクセス保障にはなり得ないことがあらためて鮮明となった。

ここに国民のマイナ保険証に対する不安・不信があり、政府の「総点検」ではこの不安・不信がまったく払拭できていない。また、払拭することも不可能である。このような状況で現行の健康保険証の廃止を強行することは言語道断であり、強く抗議する。

 

国民は「マイナ保険証」への不安で利用せず

 岸田首相は国民の「不安払拭」を強調してきたが、トラブルへの対応は弥縫策ばかりで、問題の全容解明・再発防止は放置してきた。その結果、国民の不安は払拭されず、医療現場の「マイナ保険証」利用率は5%を切る状況が続いている。こうした政府の無責任な対応も背景に、内閣支持率も下落している。

「不安払拭」というのであれば、国民が信頼を寄せ、長年安定的に運用されてきた健康保険証を存続させる決断こそが求められる。

 

国民の受療権を保障する健康保険証は存続を

病気やケガの時にすべての国民が安心して医療が受けられるようにするためには、すべての国民に遅滞なく健康保険証を発行・交付することが必要・不可欠である。現行の健康保険証を廃止し、「マイナ保険証」に一本化してしまえば、申請の漏れや遅れ、行政手続き上のタイムラグ、医療現場でのマイナトラブルなど様々な要因によって「無保険の状態」を作りだしてしまうことは避けられない。国民の受療権を保障するため、改めて現行の健康保険証の存続を強く求める。