瀬戸内海放送が1月16日に放映したニュース「改善するのに2年はかかる」続く医薬品不足 インフル流行など冬の需要に対応は…」で香川県保険医協会が実施した医薬品供給不足に関する調査や保団連のコメントが紹介されました。
インフル流行シーズンを迎え、コロナ感染も増加傾向にあります。去痰薬、鎮咳剤、解熱鎮痛剤等の医薬品不足が心配されております。保団連は、昨年10月、11月に厚労省に医薬品の安定供給を求めました。厚労大臣が10月に対して、製薬各社に対して増産を呼びかけましたが、現場での不足状況は未だ解消されていません。
日本製薬団体連合会が公表した「医薬品の供給状況にかかる調査(2023年11月)」によれば、全医薬品の24.4%が限定出荷・供給停止の状況にあり、後発品に限ると34.4%に上ります。特に、基礎的医薬品の12.7%、安定確保医薬品の26.4%が限定出荷・供給停止となっています。この状況は直近の3カ月でも悪化しており、地域医療に深刻な影響を及ぼしています。
医薬品の安全確保・安定供給は、製薬企業が責任を負うことは前提ですが、ここまで問題が長期化している背景には、後発品中心の薬価引き下げによる医療費削減、不採算状況による製造体制の不安定化、安定供給体制が確保されないままの政府の強引な後発品促進策などが挙げられます。前述の当協会アンケートでも、「医療費抑制に伴う薬価抑制政策が行き過ぎたことが諸悪の根源」との指摘があります。この状況は、根本的には、国の社会保障費抑制策によって生み出されたものです。国としてこの誤りを認め、公的医療提供に責任を負う立場として、医薬品の安全確保・安定供給に必要な対策を講じることが求められます。