4月のマイナ保険証利用率は6.56% 増加分の7割が薬局

厚労省は5月14日に24年4月のマイナ保険証利用率を公表しました。利用率は6.56%で3月より1.09ポイント増加しました。マイナ保険証の利用件数は1210万件で3月(1010万件)より200万件増加しました。オンライン資格確認全体では1億8439万件となり3月(1億8485万件)とほぼ横ばいで推移しました。

増加件数の70%が薬局

調剤薬局チェーンを中心にマイナ保険証利用促進キャンペーンが展開されています。その結果、4月の薬局の利用件数は483万件となり3月・345万件に比べて138万件増加しました。医科診療所は4月・452万件で3月・416万件より36万件増加、歯科診療所は4月・140万件で3月・130万件より10万件増加、病院は4月・134万件で3月・117万件より17万件増加しました。増加分200万件の70%が薬局が寄与しています。

利用勧奨によるトラブルも増加

薬局でマイナ保険証の提示が求められることようですが、そもそも医療機関を受診した際に保険証等で資格確認は済んでいるため、薬局では処方箋とお薬手帳を示すだけで事足れりなはずです。

法令上も薬局では処方箋の提示で問題ないため、そもそもマイナ保険証を利用して資格確認する意味がほとんどありません。

意味がない行為である上に執拗にマイナ保険証の提示を求める対応に「マイナ保険証を使わないと薬がもらえない」との患者の誤解を招いています。マイナカードを持っていない患者さんが「薬局でマイナカードを作れと言われた」などトラブルも起きています。

マイナカード取得、マイナ保険証利用は「任意」

マイナカードを取得するかどうかは「任意」であり国民に選択権があります。偽造マイナカードを利用した詐欺事件が続発したことを受けて、マイナカードへの不安が広がっています。マイナカードの利便性とリスクを天秤にかけて、自己責任で管理できると考えた方が申請により取得することが何よりも重要です。そのことはマイナンバーカード(個人番号カード)の根拠法である番号法で規定されています。

薬局でマイナ保険証の強引な利用勧奨が目立ちます。患者・国民から「補助金や診療報酬加算を得るためだけに利用勧奨をしている」との誤解もありトラブルも増加しています。マイナ保険証を利用するか否かも患者さんの選択に委ねるべきです。マイナ保険証の利用件数を増やすだけの何の意味もない利用勧奨は中止すべきです。