【河野太郎デジ相】「保険証お持ちですか」声掛けがネック 「是正に力を入れて」

河野太郎デジタル大臣は6月11日記者会見で、マイナ保険証の利用率が低迷する理由を問われ「今一番のネックが医療機関の窓口で『保険証お持ちですか』と声がかかってしまうところがある。そこの是正に力を入れていただくようお願いしている」とコメントしました。

被保険者の資格確認は、①マイナ保険証、②被保険者証(健康保険証)、③処方箋のいずれかで行うことが法令上求められています。河野大臣の発言は「保険証お持ちですか」と呼び掛ける医療機関が法令に違反しているかと誤解させるだけでなく、所管官庁(厚労省)から当該保険医療機関を是正指導させるよう圧力を掛けていると捉えられる発言です。

マイナゴリ押し継続する構え

12月2日以降も最大1年間、現行の健康保険証が使えることやマイナ保険証を持っていない方には申請により資格確認書が交付されることは法律で規定された被保険者の権利です。まずは、きちんと国民に広報すべきです。国民の権利を正しく広報せず、強引なマイナ保険証利用やマイナカードの取得勧奨が行われているのが国のキャンペーンの実態です。医療機関・薬局と患者とのトラブルが生じるのも当然のことです。

トラブル発生を受けて、追加の広報やアナウンスの仕方を変更する予定はないかと記者に問われましたが、河野大臣は「マイナ保険証を基本とする受付になるべく早く変えていくためにわかりやすく広報していく」との言及にとどまりました。保険証の猶予措置やマイナ保険証を持たない方には資格確認書が交付されるなどの追加的な広報には言及しませんでした。

関係法令

健康保健法第63条第3項 「療養の給付」、健康保健法施行規則53条(法第六十三条第三項の厚生労働省令で定める方法)

デジタル庁 大臣記者会見 (6月11日)

記者

国が進めるマイナ保険証の利用促進キャンペーンでは病院・薬局が患者に声掛けなど力を入れているが、窓口で利用を勧められた患者さんとトラブルになったり、「マイナ保険者しか使えない」との患者が誤解したり、利用者の方からも強引ではないかとの声が出ている。現在の利用促進策について河野大臣のご見解は。

 

河野太郎

12月2日で保険証の新規発行が停止されてマイナ保険証を基本とした運用に移り変わってく中で、なるべく早くマイナ保険証をお持ちの方には使っていただきたい。

今一番のネックが医療機関の窓口で「保険証持ちですか」というふうに声がかかってしまうところがある。そこの是正に力を入れていただくようお願いしている。

何事もやり過ぎということにならないように気をつけていただく必要があるが、窓口でのマイナ保険証で、しっかり顔認証で受付をやるところに1人で多くの方に慣れていただきたい。

記者

病院や薬局での声掛けやチラシの配布を通じて、「12月2日以降はマイナ保険証しか使えない」という誤まった解釈をされる方がいる。12月2日以降も、例えば「最初1年間で保険証が使える」とか、「資格確認書で引き続き受診できる」というアナウンスはしないのか。医療機関に求めるとかその国民の周知方法何か見直したりする考えはあるでしょうか?

河野太郎

まずマイナ保険証を基本とする受付になるべく早く変えてくださいということをわかりやすく、チラシの紙面が限られる中でわかりやすく伝えていきたい。

記者

先月、厚労省が公表したマイナ保険証の利用率が6.5%ぐらいだったが、公表される数字が伸びてきているが、伸び率をどのように見ているか。伸び悩む原因・理由は。

河野太郎

マイナ保険証で受付をした方はもう3割を超えてる。一度も経験しましたという方が3割を超えている中で、やはり医療機関で「保険証を」という声がけになってしまうのがネックになっている。使っていくという土壌が広まれば、使ったことがある、使ってもよいと言う方がかなりいるので、そこまで広げてくんじゃないか。