月刊保団連2024年7月号

特集「〈水〉の安全・安心が揺らぐとき」

「湯水のように使う」という慣用句が通じなくなる日が来るのは、それほど遠くないのかもしれない。今、〈水〉を巡る状況が、大きな曲がり角にさしかかっている。地球上の人口の増加や気候変動などにより、水質汚染や水不足が深刻化しており、2050年には世界人口の40%が水を得るのが難しくなるといわれている。日本では水道管の老朽化が進み、水道設備の維持が大きな負担となる中で、水道事業を民営化する動きも見られるが、企業が利益を追求しすぎることによる弊害が懸念される。また、発がん性が指摘されているPFASによる水汚染、災害時に水道が止まることで生じるトイレ問題、激甚化する豪雨災害など、〈水〉を巡って様々な問題が起きている。今、〈水〉の安全・安心のために何が必要なのかを考える。

水が足りなくなる前に 危機の克服に俯瞰的・長期的な視点を

橋本 淳司