河野大臣は「誤った認識」では? マイナトラブル時は厚労省も健康保険証で資格確認を呼び掛けている

保団連は、この間、河野太郎デジタル大臣に対して「健康保険証が廃止されるとマイナトラブルに対応できなくなる」と指摘し、健康保険証の廃止方針の見直しを求め続けています。

河野太郎デジタル相「保団連は誤った説明しないで」

9月10日大臣会見で、保団連は、マイナトラブル時には「厚労省も健康保険証で資格確認してと周知している」と指摘し、保険証存続を求めました。これに対して、河野大臣は「厚労省は『保険証で確認してください』との説明をしていない、誤った説明をしないで欲しい」と述べトラブル時の健康保険証活用を否定しました。

厚労省通知・資料でも「トラブル対応は保険証で」

しかし、2023年7月10日の保険局長通知ではマイナトラブルへの対処法として「患者の健康保険証で資格確認すること」を明記しています。さらにこの間の医療保険部会でもフローチャートを示して保険証等での資格確認を行うなどで10割負担とならないような方策を繰り返し説明しています。

健康保険証がなくなるとトラブルへの対処が途端に困難になります。河野大臣が「誤った認識」で健康保険証廃止を決めたとしたら医療現場は大迷惑です。総裁選で保険証廃止問題が争点に急浮上しています。今からでも遅くありません。保険証廃止を撤回すべきです。

 

<記者会見質疑>

保団連

9月6日の記者会見で河野大臣は「マイナトラブルでも10割負担払わなくていい仕組みをしっかり周知したい」と述べられました。厚労省に聞いたら「マイナトラブルへの対応としてまずは健康保険証で確認してください」と説明されました。健康保険証が廃止されるとマイナトラブル時の対応が困難になります。ご見解をお伺いします。

河野大臣

厚労省は「保険証で確認してください」との説明をしていない、誤った説明をしないで気を付けて欲しい。マイナンバーカードでオンライン資格確認が行えない場合は、再診の場合は過去の受診時の資格情報を確認、初診の場合は資格申立書を記入してもらうことにより保険診療が行え10割負担とならないことは医療機関に周知している。

 

参考資料

マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応について

保 発 0 7 1 0 第 1 号令和5年7月 10 日 厚生労働省保険局 長

1.マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができないケース
(1)マイナンバーカードによりオンライン資格確認を行った際に、資格確認端末において、「資格(無効)」、「資格情報なし」と表示される場合

(2)医療機関等の機器不良等によりその場でマイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合

2.1のケースにおける資格確認及び窓口負担
(1)患者が自身のスマートフォン等によりマイナポータルにアクセスして医療保険の被保険者資格情報の画面を提示できる場合や、患者が健康保険証を持参している場合は、
当該マイナポータルの画面や、健康保険証を医療機関等の受付窓口に提示することにより資格確認を行い、医療機関等の窓口負担として、患者の自己負担分(3割分等)の支払を求める。