【要望書10月9日】人件費や物価高騰対応で医療機関支援の大幅拡充を

保団連は、「物価高騰等への対応のため地方交付金の大幅拡充」を求める要請書を、10月9日、首相、財務大臣、厚労大臣に送付しました。

2024年10月9日

内閣総理大臣 石破 茂 殿

財務大臣   加藤勝信 殿

厚生労働大臣 福岡資麿 殿

 

人件費や物価高騰等に対応し、地域医療を守るため

地方創生臨時交付金および重点支援交付金の大幅な拡充を

 

全国保険医団体連合会

会長 竹田 智雄

経営税務部長 太田 志朗

貴職におかれましては、日夜国政の重責を果たされていることに心より敬意を表します。 本会は医師・歯科医師10万7千人で構成する全国の保険医協会・保険医会の連合会です。

人件費や諸物価の高騰が、医療機関にも大きな影響を及ぼしています。

民間の信用調査会社の調べでは、医療機関、特に、診療所と歯科医院の件数増加が顕著であり、過去最多を更新する可能性が高いとのことです(帝国データバンク・9月9日)。倒産・廃業まで至らずとも、地域の医療機関は、人件費や諸物価の高騰に加え、強引と言わざるを得ない政府の医療DX推進策への対応に伴う経費増が大きな負担になっています。

本来、こうした状況への対応が求められた2024年度診療報酬改定は、物価上昇分にすら見合わない実質マイナスの改定でした。改定の目玉とされた「ベースアップ評価料」は複雑に過ぎ、多くの医療機関は届出さえできないという不合理を生んでいます。これに関しては、当会は別途、診療報酬の期中改定及び不合理是正を要請してきたところです。

この間、新興感染症への対応に伴う経費増や患者さんの受診控えによる収入減などにより、地域医療を支える医療機関の経営基盤は脆弱になっています。これは一医療機関の問題にとどまらず、地域医療の存続、地域経済にも影響を及ぼす事態です。今般、政府におかれては、石破内閣総理大臣の施政方針(10月4日)で言明されているように「物価に負けない賃上げ」、「地方創生」、とりわけ「地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増すること」を政策の柱の一つに掲げています。

この間、地方創生臨時交付金および重点支援地方交付金により、多くの自治体の補助金、助成金が措置されました。これにより医療機関経営や地域医療の確保に活かされてきましたが、一方で、自治体によって対象となる医療機関や支給額に開きがあり、地域格差も生まれています。医療機関が継続して十分な医療提供をしていくことは、地域医療や雇用を含む地域経済を守ることにつながります。医療機関が人件費や諸物価の高騰、諸経費の増加に対応できるよう、下記の実現を強く要望するものです。

一、地方創生臨時交付金及び重点支援交付金を大幅に増額し、すべての医療機関が、十分な補助を、簡易な手続きで受けられるよう、条件を整備すること