11月12日、保団連は厚労大臣記者会見でNHK候補者アンケートに当選議員の55.1%が、保険証を「廃止すべきでない」、「廃止延期」と回答していることについて大臣の見解を問いました。
福岡厚労大臣は予定通り保険証新規発行停止を行う意思を示した上で、不安払拭の広報を強化すると説明しました。保団連は、マイナ保険証がなくても医療が受けられることについて政府広報による周知だけでなく、ポスターや説明資料などを医療機関・薬局に送付し、患者国民に直接案内されるよう対応を求めました。
ホームページ掲示だけでは極めて不十分
厚労省の「マイナ保険証なくても医療が受けられる」ことを広く国民に周知する対応について、医療機関・薬局を通じた患者・国民への周知が欠けています。福岡大臣は、「医療機関・薬局・国民に広く浸透させることが重要」との考えを示しましたが具体的な対応はリーフを厚労省ホページに掲示するなどの対応にとどまりました。資格確認書に関するリーフを厚労省HPに掲載しているとの説明がありましたが、厚労省HPの当該サイトを見ている国民はほとんどいません。医療機関・薬局を通じた患者・国民への不安払拭の周知・徹底が極めて重要ですが現時点で極めて不十分と言わざるを得ません。
保団連は、▽12月2日以降も有効期限満了まで現行の健康保険証が使えること▽期間終了後はマイナ保険証が利用登録されていない方には資格確認書が申請無しに交付されること▽マイナ保険証の利用登録を解除できること―を国の責任で患者・国民に広報するとともに、医療機関・薬局を通じて、患者さんに周知・広報を徹底するよう強く求めます。
<11月12日厚労大臣記者会見>
保団連
マイナ保険証、12月の保険証廃止について、先の衆議院選挙でNHKが候補者アンケートを取りました。当選者465名中、「廃止時期を延期すべき」が152人、「廃止すべきでない」が104人、合計、衆議院議員の256人、55.1%が廃止を延期、もしくは保険証存続を求めています。保険証廃止法案に「賛成」した自民党でも48人名が「延期」、国民民主党は28名躍進しましたが16人が「延期」ということで、合計75人が「延期」と回答しています。過半数です。政権与党の、過半数割れしましたが、保険証問題での国民の民意が示されたと思いますが、現時点で少なくとも保険証の廃止は延期すべきでないかと思いますが、大臣のご見解をお伺いします。
福岡厚労大臣
ご質問のアンケートについては、詳細は承知していませんが、政府としては、マイナ保険証への移行に際し、最長1年間、現行の保険証を使い続けられること、またマイナ保険証をお持ちでない方には、申請によらず、保険者から資格確認書が交付されることなど、全ての方が安心して保険診療を受けられる環境整備に取り組んでいるところです。こうした取組をはじめ、国民の皆様の不安の解消に向けた対応を丁寧に講じながら、法律で定められたスケジュールに沿って、12月2日のマイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けて取り組んでいくということです。なお、スケジュールに則って進めていく一方で、昨日総理もおっしゃいましたように、お持ちでない方にも資格確認書を速やかにお届けすることで、これまで通り診療が受けられるようにしていくということを、しっかり周知・広報していく等、不安の解消に努めていきたいと考えています。
保団連
政府広報で「マイナ保険証がなくても医療が受けられる」と広報していただいていることは感謝していますが、一方で、医療機関、薬局からはそのような案内はされていませんので、そういった不安払しょくの周知・広報をさらに促進する観点から、医療機関・薬局から必要な広報資材などを周知いただいて、保険証が最大1年間使えるということを案内するお考えがあるかどうかについてお伺いします。
福岡厚労大臣
不利益を感じる人がないよう取り組んでいくということについては申し上げた通りです。重ねてではありますが、昨日、第2次石破政権発足後、総理会見でもそのことを強く申し上げられたところです。加えて、こうした取組を医療機関、薬局、そして国民の皆様に広く浸透させていくことは極めて重要であり、具体的には、先月、10月下旬に、マイナ保険証をお持ちでなくても、これまで通り医療を受けられる旨の新聞広告を掲載したほか、高齢者や障害者の方も含め、広く国民の方々に対する周知広報として活用できるよう、資格確認書に関するリーフレットを作成し、厚生労働省のホームページに掲載するなどの対応を行ってきたところです。引き続き、周知が広まるよう、適切に対応していきたいと考えています。