【厚労大臣記者会見】「8月以降も従来の健康保険証で受診できる」暫定措置を国民に周知すべき

保団連は、7月29日の厚労大臣記者会見でまもなく有効期限を迎える健康保険証(国保)への対応について3点質問しました。

保団連の質問

◇直近のマイナ保険証の利用率は?7月末に有効期限を迎える国保加入者の人数と全体の割合は?

◇8月以降、マイナ保険証の利用が急増し、医療機関受付の混雑やトラブル・不具合への対応が迫られるが、どのような対策を考えているのか?

◇期限後も健康保険証が使える暫定措置が示されたが、国民全体への周知が不足しているのではないか?

 

福岡資麿厚労大臣の回答

令和7年6月のマイナ保険証利用率は30.64%。市町村国保の7月末に発行済みの健康保険証が有効期限を迎える被保険者数はおよそ1700万人。これは国保全被保険者数約2400万人の7割にあたる。

8月以降の医療機関等受診にあたり、当面は、有効期限が切れた健康保険証だと気づかないまま、引き続き従来の保険証を持参して、保険医療機関等を受診する場合も想定される。暫定的な対応として、こういった患者さんに対して、3割方の一定の負担割合のみを求めて、レセプト請求いただく運用を医療機関に示している。

何らかの事情で、マイナ保険証で資格確認ができなかった場合でも、窓口で適切な負担割合で保険診療を受けられることとしており、このような取り扱いを、医療機関、国民双方に対して周知をしている。この従来どおりの保険診療が確実に受けられるように、必要な対応を講じているが、保険証の切り替えによって、患者さんが不利益を被ることがないように、医療機関、国民には引き続き周知していく。

 

「期限後も保険証が使える」ことを国民に周知してない

福岡大臣は大臣会見で「国民向けにも周知している」と言いましたが、有効期限後も健康保険証で受診できる取扱い(6月27日事務連絡)はホームページ、政府広報等で国民向けに周知している事実はありません。

医療機関向けには6月27日事務連絡(疑義解釈)で移行期の対応として期限切れ保険証が提示した患者に対して3割等の一定の負担割合を求めてレセプト請求を行うこととする運用(暫定措置)は、「差支えない」としている。

しかし、医療機関がマイナトラブルが発生した際に不詳レセプトで請求したものの請求が返戻された事例が報告されており、暫定措置による対応も医療機関がリスクを背負うことになる。「患者さんの不利益を被ることのないよう(福岡大臣)」と言うのであれば、マイナ保険証トラブル等で資格確認が困難な保険請求に際して医療機関側が請求の返戻や未払いのリスクを負うことがないよう国が責任を持つべきである。

 

期限後も保険証が使えることを医療機関に示した暫定措置(6月27日事務連絡)