「緊急財政措置を検討」 医団連が厚労省事務次官に要請

2025年11月12日

 医療団体連絡会議(医団連)は10月30日の集会に先立ち、厚労省要請を実施しました。
要請事項は①ケア労働者の処遇改善と物価高対策を考慮した診療・介護報酬の期中改定、あるいは補助金等での緊急財政措置の早期実施②26年の診療報酬改定および介護報酬について10%以上の引き上げを実施し、介護報酬改定を前倒しする③診療・介護報酬引き上げに伴い、患者・利用者の一部負担金増につながらないための手立てを講じる④社会保障予算の在り方を抜本的に見直す―の4点。厚労省は伊原和人事務次官が対応しました。
保団連の小澤力副会長は、物価高騰や人件費の上昇、医療DXの強引な推進、消費税などが医療機関経営を圧迫し、閉院・倒産が増えているという実態を報告しました。
さらに全国から医療機関への緊急財政措置と診療報酬大幅引き上げを求める医師・歯科医師の署名が8500以上集まっていることを伝え、「職員の給与を支払うために自分の報酬を削っている」など会員署名で寄せられた切実な声を紹介しました。その上で、「医療は人が命。人件費を十分支払える診療報酬にするために、最低でも10%の引き上げと、緊急の財政措置が必要だ」と強く訴えました。
医労連からはケア労働者の待遇改善の必要性、医療福祉生協連からは病院や医療機関の厳しい経営実態を伝えました。

「厳しい経営は理解」伊原事務次官

伊原事務次官は、「医療機関が物価高騰に対応できず厳しい経営状況にあることは各種の実態調査から理解している」と応じました。その上で、「現在緊急財政措置を検討しており、来年の改定でも必要な手当てをしていきたい」と述べました。