
保団連が加盟する「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は10月30日、東京都内で「歯科の未来を総枠拡大で切り拓く! 歯科決起集会」を開催し、現地・オンライン合わせて532人が参加しました。集会には、与野党の国会議員14人が駆け付け、歯科医療機関の存続、歯科医療充実の必要性や金パラ逆ザヤ問題などについて発言。歯科医療の充実と歯科医療危機打開を求めるアピールを採択しました。
窓口負担3割は高すぎる
雨松真希人連絡会会長は「窓口負担3割は高すぎる。高い保険料を支払っているのに保険がきかない歯科治療があることは大いに疑問。歯科技工士の過酷な労働環境が報道されるようになったが、厚労省要請では『持ち帰り検討する』との回答が続いている。今後も取り組みを強めていきたい」と開会あいさつしました。
コロナ以降、歯科2500施設減少
基調報告で岩下明夫連絡会副会長は、「コロナ禍から5年で2500歯科医療施設が減少し、高齢化、無歯科医地区の増加などで歯科治療が受けられない状況が始まっている。低所得層ほど罹患率が高く、経済的な理由で受診困難な人が多く存在しており、口腔の健康が金銭で左右されている。歯科技工士は養成校の閉鎖が相次ぎ、産業の存続が危ぶまれている。過酷な労働環境を放置すれば、質の高い歯科医療を提供できる基盤そのものが失われる。口腔の健康は全身の健康につながる。歯科医療の危機は、すべての人の健康の危機だ。患者窓口負担の軽減、歯科診療報酬の大幅な充実、歯科医療にかかる国の予算の大幅な引き上げを実現しよう」と訴えました。
歯科請願署名の重要性を訴え
会場から、保団連の大藪憲治理事は、これまでに取り組んできた歯科請願署名の重要性を訴え、深井修一理事は、9月25日に実施した歯科技工問題の解決に向けた厚労省要請の概要を報告しました。フロアからも、歯科医療改善を求める発言が相次ぎました。 歯科請願署名の取り組みも継続しており、通常国会提出以降の追加集約分が国会議員に提出されました。署名集約数は、累計で約21万筆となりました。
集会には、自由民主党、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、有志・改革の会の国会議員14人が駆け付けました。
満場の拍手でアピール採択
最後に集会アピール「歯科医療の危機を突破するためにも 保険で良い歯科医療運動の前進を」が読み上げられ、満場の拍手で採択された。


