
高市早苗首相は「連立政権の信を問う」という目的で、1月23日の通常国会冒頭に衆議院を解散する構えです。自維連立政権が発足して3か月。医療社会保障分野では、OTC類似薬の薬剤追加負担や高額療養費限度額引き上げなど命・健康を切り捨てる政策を矢継ぎ早に決めて、患者・国民に押し付けようとしています。自維両党による密室協議で国民負担増を決められましたが、その政策の是非について一度も国会で審議されることなく衆議院解散を迎えることになりました。
「国保逃れ」は実態を見て判断
連立政権の一角として社会保険料引き下げを掲げる日本維新の会の複数の議員が一般社団法人に理事として登録するなどして本来支払わないといけない国民健康保険料の支払を大幅に減額するいわゆる「国保逃れ」を行っていました。健康保険制度の趣旨を大きく逸脱する行為です。
保団連は、1月16日の厚労大臣記者会見で日本維新の会の複数の議員による「国保逃れ」について質問しました。上野賢一郎厚労大臣は、個別の事案についてコメントを控えるとした上で、「フリーランスの方、あるいは個人事業主の方を対象にして、一般社団法人の役員として、加入をすることによって、社会保険に加入ができて、保険料の削減が可能となる。そう謳う事例がある」と国保逃れの事例が存在することを認めました。
法人の役員に対する社会保険の適用については、「役員としての業務、それが経営参画を内容とする経常的な労務の提供かどうか、その報酬が、業務の対価として経常的な支払いであるかを総合的に勘案していく必要がある」と適切性の判断基準を示しました。
今後の対応について、「社会保険の適用事務を行っている日本年金機構と連携しながら、大事なことは、社会保険料納付に対する納得感が損なわれないように制度を適切に運用していくということ」「そうした観点から必要な対応があるかどうかも含め協議を進めていきたい」と述べました。
国民の納得は得られない
連立政権は「社会保険料負担の軽減」を掲げており、高市首相は連立政権の信を問うため衆議院を解散すると述べています。連立与党の一角の日本維新の会による「国保逃れ」は道義的にも責任があり社会保険制度に大きく影響します。保団連は、自維連立政権がOTC類似薬や高額療養費など負担増を一方的に国民に強いる中での維新議員による「国保逃れ」は高い保険料を払っている国民の納得感は到底得られないのではないかと指摘しました。この指摘に対して、上野大臣は、「実態をよく把握して、適切な運用がなされるかどうか、そういう観点からの検討というのが必要だ」と答弁しました。
上野大臣会見概要 |令和8年1月16日|大臣記者会見|厚生労働省
保団連
日本維新の会の複数の議員が一般社団法人に理事として登録するなどして、本来支払わないといけない国民健康保険料の支払いを大幅に減額する、いわゆる国保逃れを行ってきました。健康保険制度の趣旨を大きく逸脱する行為と考えますが、制度を所管する大臣としてのご見解をお伺いします。
また、国保逃れを模倣する方が増加すれば、国保財政のさらなる悪化や保険料上昇も危惧されます。連立政権が掲げる社会保険料軽減には逆行する事態に陥ります。厚労省として具体的な対応を検討する考えがあるかにお伺いします。
上野厚労大臣
個別の事案に関するコメントは、控えたいと思います。その上で、フリーランスの方、あるいは個人事業主の方を対象にして、一般社団法人の役員として、加入をすることによって、社会保険に加入ができて、保険料の削減が可能となる。そう謳う事例があるということは承知しています。
法人の役員に対する社会保険の適用については、まず1点目として、役員としての業務、それが経営参画を内容とする経常的な労務の提供かどうか、という観点が大事だと思いますし、 2つ目として、その報酬が、業務の対価として経常的な支払いであるか、その2点などを踏まえて、総合的に勘案していく必要があろうかと思っています。
いずれにしても、個々の実態を踏まえて個別に判断されるのではないかと考えている。その上で、社会保険の適用事務を行っている日本年金機構と連携をしながら、大事なことは、社会保険料納付に対する納得感が損なわれないように制度を適切に運用していくということでありますので、あのそうした観点から必要な対応があるかどうか、そういうことも含め協議を進めていきたい
保団連
今、大臣が答弁された国民の納得感が得られるかということが非常に重要だと思います。高市総理が連立政権の信を問うということで解散されますが、大臣も一定の負担があると前回答弁されましたが、今回、OTC類似薬とか高額療養費とか国民に負担を実際に強いる、求める中での連立与党の一角の保険料の国保逃れなので道義的にも大きいと思います。
模倣犯というか、同じようなことが続くと、国民が保険料を払う納得感は得られないと思います。ぜひ、政治家としても厚労省としても、解散総選挙に当たって信を問うということであれば、どういう態度でこの問題を考えるのか、連立与党の議員の行動ですから、政治家としてもコメントをお願いします。
上野厚労大臣
いずれにいたしましても、その実態をよく把握して、適切な運用がなされるかどうか、そういう観点からの検討というのが必要だと考えています。


