
解散総選挙 自維連立政権の信を問う
OTC類似薬の保険給付の見直しを争点に
全国保険医団体連合会
高市早苗首相は、1月19日の記者会見で、政権の枠組みが自民党と日本維新の会の連立政権に変わり、連立合意書で重要な政策変更が行われたことから、国民の審判を仰ぐため23日招集日に衆議院を解散し、2月8日に解散総選挙を実施すると表明しました。解散による政治空白で26年予算の年度内成立が困難となり、国民生活、物価高対策にも大きな影響は避けられません。そもそも連立政権が発足した2025年10月に解散しなかったのか、国会での法案や予算審議を投げ出しなぜ今解散なのか。世論の半数が解散に反対しています。政権が抱える数多くの問題について、野党からの追求を逃れるために解散したのでは、内閣支持率が高いうちに解散して安定多数の議席を確保するために解散したのではなど疑念を抱かざるを得ません。
最大2兆円の保険除外・給付削減 自維両党の密室協議
OTC類似薬の保険適用除外を強く主張する日本維新の会が連立政権入りし、2025年10月20日に自維両党が交わした連立政権合意書には、「OTC類似薬」を含む薬剤自己負担の見直しが社会保障政策の筆頭に掲げられました。3カ月間で自維両党による密室協議では、最大2兆円規模(対象薬剤1100成分、保険除外割合を1/1)の保険除外・給付削減も含めた金額・規模ありきの患者・当事者不在の無責任な議論が続けられました。
難病患者、患者団体、医療団体による実態調査や世論の反対などもあり一転二転の末、最終的には2025年12月19日に自維政調会長合意で77成分約1100品目の薬剤費を一部保険除外し、患者に追加負担(特別料金)を求めることが合意されました。政調合意には、27年以降に追加を求める対象薬剤の拡大していくこと、追加負担割合の拡大も検討することとされました。対象薬剤の拡大について最終的には7000品目(OTC医薬品の対応する症状の適用がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品)まで広げる考えも盛り込まれました。自維両党は、症状があっても受診して医師の診断や検査を行わず、自己判断による服薬で対処させ、医療給付を削減し、社会保険料引き下げを迫るもので、国民の健康管理に対する責任を放棄するものです。
政府案 77成分1100品目の薬剤費の追加負担について
政府は77成分・約1100品目の薬(OTC類似薬)について、1から3割の窓口負担金とは別に「特別料金(薬剤費の25%)」を徴収することを決めました。対象薬剤は、ロキソニン、湿布などの痛み止めやアレグラ、フェキソフェナジンなど花粉症治療薬(抗アレルギー薬)、皮膚疾患の保湿剤(ヒルドイド)、ステロイド剤など日常的に幅広い疾患で使われている薬です。これらの薬は「特別料金」を含めると実質的な窓口負担は1割の患者は3割、2割の患者は4割、3割の患者は5割に負担が増加します。
特別料金を徴収する理由について、政府は「現役世代の保険料負担の軽減」、「仕事で医療機関を受診できず市販薬を利用している患者との公平性」と説明していますが、削減される医療費は900億円で、国民一人当たりの保険料軽減額は年間750円、月63円とわずかな金額です。一方で花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患などに苦しむ患者など、すべての世代に大きな影響が出ます。
政府は医療機関に受診ができる患者にペナルティー的に追加負担を徴収するのではなく、症状を抱えながら医療機関に受診できない国民の受診機会を確保するために事業者への働きかけなど環境整備すべきです。患者負担増で「受診控え」が広がれば、適切な診断や治療が遅れ、疾患の重症化につながるおそれもあります。
そもそも高すぎる保険料の軽減は、病気とたたかう患者の負担を増やして行うことでしょうか。保険料の軽減をするのであれば、医療への国庫負担割合を増やすこと、600兆円に迫る大企業の内部留保を社会的に還元し賃金水準を抜本的に引き上げること、大企業の利益に応分な税負担を求めるべきです。解散総選挙にあたり、患者のいのち、健康を脅かす負担増の中止を求めるともに選挙の争点化に向けて発信していきます。
報道
OTC類似薬の保険給付の在り方、衆院選の重大争点に – CBnewsマネジメント
OTC類似薬見直し「早期診断妨げに」 保団連など会見 | MEDIFAX web(メディファクス ウェブ) – 医療の総合情報サイト
「がん見落としの可能性」OTC類似薬への25%上乗せ負担、医師・患者が自民・維新の新制度案に異議 衆院選での争点化を求める(弁護士JPニュース) – Yahoo!ニュース


