【声明】辺野古新基地建設の代執行訴訟の判決に抗議する

【声明】辺野古新基地建設の代執行訴訟の判決に抗議する

2023年12月25日

全国保険医団体連合会
会長 住江憲勇

12月20日、国が沖縄県を相手に提起した「代執行訴訟」で福岡高裁那覇支部は、沖縄県に対し、米軍新基地建設を巡る公有水面の埋め立て工事の設計変更申請の承認を命ずる判決を出した。本判決は、県の権限を国が剥奪し、県に代わって国が承認手続きを進めることを認めるものであり、国による強権的かつ形式的な沖縄県への「是正指示」のあり方やキャンプシュワブ沖大浦湾側の軟弱地盤など、新基地建設を巡る実体的な問題点について何も吟味することなく判決を出したもので、地方自治の理念を無視した不当な判決である。

同判決は、補足意見として「今後十数年にわたって予定される工事を進めるにあたっては、さらなる設計概要変更などの必要が生ずる可能性もある。その都度、繰り返し訴訟による解決が図られることは、必ずしも相当とはいいがたい」と述べているように、今後も同基地建設が順調に進捗するとは見ていない。

また、国による代執行は謙抑的でなければならず、国と当該地方自治体との紛争が生じた際には、国と自治体との対話を要請していることも今回の判決の示すところである。そのような認識を示したにも拘わらず、判決で申請の承認を県に命ずるのは、司法判断として矛盾するものである。

政府が住宅密集地域にある普天間飛行場を「世界で最も危険」とみずから認め、なおかつ裁判所も付言として「さらなる設計変更が生じる可能性がある」(軟弱地盤工事が予定通りすすまない)とするのであれば、沖縄県による軟弱地盤工事についての不承認の判断こそ「公益」と認めるべきではなかったか。

今回の判決により国による代執行が行われれば、地方自治体の権限を国が剥奪する初の事例となる。それが沖縄の米軍基地を巡る問題であることは、今後の日本の民主主義と地方自治に悪影響を与えるものとして懸念せざるを得ない。

全国保険医団体連合会は、今回の代執行訴訟についての判決に抗議するとともに、国内の米軍専用施設の7割を沖縄県に集中させ、負担を強いている現実に目を向け、沖縄県民の民意に連帯することをあらためて表明する。

私たち医師・歯科医師は、国民のいのちと健康を守ることを使命とする立場から、政府に対し、「辺野古が唯一の解決策」との姿勢を改め、辺野古新基地建設を断念することを求める。

以上