【要望書】2022年通常国会開会にあたって医療・社会保障の充実へ、 政府予算案の組み換え提案を求めます

※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、各政党、各国会議員及びマスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:169KB])

2022年1月17日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

1月17日から2022年度予算案を審議する通常国会が開会します。

長期にわたるコロナ禍で、わが国の医療・社会保障の脆弱さが明らかとなり、多くの国民が不安と困窮の中に置かれている今、全国民の代表である国会がどのような役割を果たすのかが問われています。

昨年末に閣議決定された政府予算案は、このコロナ禍にもかかわらず医療と社会保障を縮小し、国民の生活困難を払拭するどころかよりいっそう追い詰めるものといわざるを得ません。

地域医療についていえば、国民の医療へのアクセスを奪う病床削減を引き続き進める計画です。公的保険医療の質・量・方法・水準を規定する診療報酬は5回連続のマイナス改定(国費約1300億円減)となりました。10月から75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を2割に引き上げること(国費約300億円減)などを含め、社会保障の自然増を2200億円も削減する内容になっています。

政府は「財源不足」を口実にして国民にがまんを押し付ける一方で、高額な兵器の購入費を含む防衛費は5兆3687億円を計上し、8年連続で過去最大を更新しました。また、国民が望んでもいないマイナンバーカードの普及のため、デジタル庁予算4720億円とは別に、1027億円を計上しています。

この年末年始にかけ、新たにコロナ感染の再拡大の恐れが高まっている中、政治が最優先すべきは国民の暮らしを支えるための施策です。所得再分配機能を発揮させ、社会保障の拡充を図ることです。

国民皆保険制度の下、社会保障としての医療に携わる私たち医師・歯科医師は、各党および国会議員各位に、(1)通常国会において政府予算案の徹底的な審議を行い、社会保障費の抑制ではなく拡充の方向にあらためさせること、(2)とりわけ診療報酬の抜本的引き上げ、高齢者の医療費窓口負担2割化中止を含む、政府予算案の組み替えを提案し、修正を行うことを強く求めます。

以上