※全国保険医団体連合会では、下記の要望書を発表し、厚労大臣、同保険局長、同保健局医療課長及びマスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:132KB])
2022年4月17日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
2020年改定を前後して発生したコロナ禍によって、日本の医療・社会保障の脆弱性が浮き彫りとなりました。医療提供体制を抜本的に立て直し、新興感染症にも十分対応可能とするためには、診療報酬を大幅に引き上げ、感染防止対策への十分な評価や人員の確保・拡充、新型コロナウイルス感染症への対応に忙殺されている医療機関の事務負担軽減が喫緊の課題です。
その中でも、新型コロナウイルス感染症及び今後の新興感染症対策も含めた感染防止対策は増々重要性が増しています。しかし、新たに組み替え、新設された入院、外来の感染対策向上加算は、算定要件や満たすべき施設基準が厳しすぎるとの声が出されています。特に外来感染対策向上加算を算定しようとする診療所からは、連携先がそもそも少ない、無いなど、届出が困難だとの声が上がっています。ますます重要性が高まる感染防護対策実施が必要になるのに、このままでは混乱が増すばかりで先に進むことはできません。従って施設基準を緩和して、多くの医療機関が感染対策向上を図れるようにすべきです。併せて算定点数があまりに低すぎることから、点数を引き上げるなど緊急の措置を求めます。
さらにPCR検査については、点数削減についての経過措置が設定されたものの「検査をすればするほど赤字になる」状況は改善されていません。新型コロナウイルス感染が収まりをみせない中で、検査体制の維持・拡充は必要最低限の措置です。直ちに点数引上げを求めます。
また、医療機関の負担軽減が必要であるにも関わらず、繰り返し要請してきたレセプト記載のコード化による負担増は全く改善されていません。それだけではなく記載項目・選択項目は一層増加しました。さらに周知期間の確保の要求は一向に顧みられることなく改定が強行され、出された告示・通知では、運用方法が不明な項目が噴出、そして改定実施前日の深夜には、156頁もの疑義解釈、100頁もの訂正通知が出されました。
これは相次ぐ政策改定の具体化に貴省自身が対応できていないことの証左です。全国保険医団体連合会は、何よりも患者さんに必要でより良い医療を提供する立場から、下記の項目の実現を要求します。
記
1. 入院、外来の感染対策向上加算の算定要件、施設基準を緩和し、併せて点数を引き上げること
2. PCR検査点数を引き上げること
3. 医療機関の負担増となるレセプト請求のコード化による問題を直ちに解消すること
4. 当面の間は、旧点数の誤請求や、届出の不備があったとしても請求を認めること
以上